かげきしょうじょ!!・第9話
今年は10年に一度の紅華大運動会の年です。大運動会には予科生から本科生、そしてトップのみなさんのみならず、専科の人達も参加します。専科とは「お」で始まって「ん」で終わるのがNGな人達です。早い話が紅華のOGか。でも男性みたいな人も居たな。
さあ、その専科様の方々が予科生の所に来て、頑張りましょう。応援合戦はマーチングバンドで行こうと。さらさが縦笛を見てこれを持つといつも石焼き芋やってたと言う。それがピンとこない愛。一方それに同意した専科の春風の様なお○○んの野原ミレイさん。
折角作ったボンボン、本科生曰くリボンが細すぎる。だったら最初から言ってよと愚痴って作り直しに教室に入ったら、そこには各組のトップ様四人が集まって相談していた。
「バルス並の眩しさでムスカっちゃいましたよー」
なんかちょっと時代が。
前回の優勝は夏組。今年も夏組が勝つぞと言う椎名玲央に対して春組の朝比奈流、今年はパワー勝負で自衛隊の協力、すなわち穴井一尉に協力を求めたらしい。これには負けてられない。秋組の美月圭人は相撲部屋に協力要請。負けじと冬組の里見星はインターハイ経験者へ連絡。力入りすぎだろ。
ハサミを忘れたとさらさが職員室へ借りに行く。ファントム安道があの時の指摘で凹んでないか聞いたらもう復活したとの事。それを見ていた里見が安道にお気に入りなのかと尋ねた。流石にそう言う訳ではなくて、でも型破りなのは確か。
ハーフタイムショーの練習に春風な野原が来てくれた。年はとっても(禁句)動作が美しい。休憩の時に双子姉妹の妹で髪がハーフツインテールの千秋が野原のタオルを拾った事からお話するきっかけが出来た。野原のジュリエットが大好きだったと憧れの表情で自分も実技でジュリエットしたと話した。ここで野原に「あの子はジュリエット」と言う印象が残る。
これがこのあとの事件を引き起こした。野原が次の授業はマーチングだと言うのを伝え忘れたと講堂へ戻って、そこには姉千夏が居たのだ。でも今の野原にその区別なんてつかない。名前だってそうそう覚えていない。思わずジュリエットの、と声をかけたが、ここであの千夏の蟠りが出たのだ。自分はジュリエット出来なかった。だからジュリエットと呼びかけられても自分の事じゃないと無視して行ってしまう。この場面をさらさが見ていたので後で助けられる。
野原のジュリエットは沢田姉妹が幼い頃に憧れたジュリエットだった。そして二人は紅華を目指す。だが最初の受験の時に千夏は受かって千秋は不合格。泣いて引きこもった千秋をどうにかしようと千夏はその年の紅華を辞退した。
その憧れの野原からジュリエットちゃん千秋がきつく叱られる。こう言う世界だから叱る時はしっかり叱る。この間、ちゃんとこちらを認識したのに無視した。そう言う礼儀に悖る事をしてはならない。
今にも泣きそうな千秋を助けたのはさらさ。その場面は描かれなかったが、多分双子を勘違いしたのだろうと説明したと思われる。千夏は自分が呼ばれたのではないと思ってしまったと添えて。
誤解は解けたが、野原や一条の雰囲気がよそよそしくなった。これをきっかけで千夏と千秋の喧嘩に発展。売り言葉に買い言葉、千秋が家出すると言って千秋とさらさが部屋を入れ替える事になった。暫く冷却期間が必要。
その頃、野原はこの時点で何があったのかに気づいて、でも今は分かってない風を見せていると一条に話していた。一条、ボンボン作りの所に行った時に、さらさがあの時ちゃんと仲間の為に事情を話せるなんて素晴らし、立派な紅華乙女だと言ってくれる。
紅華乙女!
紅華乙女がささったさらさにどんな役をやりたのかと聞いたのを皮切りに、さらさのオスカル様からエリザベートのトート(どんな舞台かと思ったら、エリザベートってあのハプスブルク帝国の皇妃エリザベートか。そしてトートとはドイツ語で死=Tod(トート)を擬人化した役なのだそうだ)とか。沢田姉妹の方に目が向けられるが、その時に千秋が泣きながら双子のウサギですと。ジュリエットに憧れたけど、でも常に千夏と一緒だった千秋がやりたいのは双子のウサギなのだ。千夏も分かっていた。千秋が単に美味しい所を持っていく子じゃない、二度目の紅華受験の時、自分の番号より先に千夏の番号を探して見つけて喜んだのを。
そんな千秋を見て千夏はやっと自分から野原の所へ謝りに行った。野原は待っていたのだ。千夏は自分が千秋に嫉妬していたのを明かす。紅華の様に序列がはっきりしている場所では嫉妬心は絶対起きる。でも嫉妬心は負の方向ではなく、向上心に向ける事が出来ると野原は励ましてくれた。
いつまでも同じ道を歩ける訳ではない双子。でも野原に言わせれば各々がファンを作って、10年後に並んで大運動会に出たらファンも喜ぶだろうと。