かげきしょうじょ!!・第2話
相変わらず部屋の中を仕切るカーテンは健在だったが、それを無視して入り込んで来るさらさ。制服を貰ってテンション高かったが翌朝ぐっすり眠っていて、愛が「一応起こして」やるものの、あれで起きる訳がない。
だが廊下で紗和と会った事で予科の委員長となった紗和が黙っていなかった。あれだけの勢いで起こさないと起きないんじゃまあ愛だって毎回出来ない。
今日は一年上の99期生との顔合わせ。今日からは本科生である99期生とひとりひとりの組み合わせが決まって、朝の掃除の仕方から教わる。つまりおねえさまが決まる。
愛と組んだのは野島聖で本科生の副委員長だった。意地悪なおねえさまと組んだら大変よと言うけど、こう言う時の花澤香菜さん声キャラって一癖も二癖もあるからなあ。とは言え、JPX48のファンだった聖は争奪戦の末に愛と組んだ。でも実は推しは愛ではなかったのだ。その辺はおいておいて、まずはちゃんと愛に掃除の仕方は教える。
問題児のさらさには中山リサがついた。さらさの方は逆に誰も引き受けたがらなかったのをリサが引き受けたらしい。確かにあのさらさの様子だと誰もが怖気づく。
オスカル様になりたいと宣言したさらさだったが、ここでリサはあなたはオスカル様には絶対なれないと告げた。だってさらさは178cmあるのだ。これに釣り合うアンドレなんて存在しない。お前には絶対無理だと言うのは実はさらさにはトラウマみたいなのがあった。さらさが日舞をやっていた時にお前は絶対助六にはなれないと宣告された事があったのだ。
これが意外にもさらさにはこたえて泣きながら掃除したのでリサの方も言い方が悪かったかと最後は一緒に掃除まで手伝う事になる。こっちの二人の関係はまあ良いのではなかろうか。
100期生の担任の安藤守だが、この雰囲気はどうにも前期のクラマーの深津監督を思い出してしまう。何か過去に持ってる雰囲気。ともかくこの作品では最初からちゃんと授業を開始する予定…だったのがそれをやめて自己紹介の時間とした。
委員長キャラの紗和がそれに対して今更自己紹介の時間は無駄だと言うものの、安藤の説明を聞いたらちゃんと受け入れる。クソ真面目キャラか。この時の安藤の説明だが、普通の学校だったら卒業後はみんなそれぞれの道に進むかも知れないが、この紅華は別だ、二つしかない。歌劇団に入るか入らないか伸るか反るかだと。だからこの関係はずっと続く。それにはちゃんとお互いを知っておくのがこの先に役に立つのだと。
自己紹介のあと、特別に許可を貰って楽屋裏の見学が始まった。衣装や大道具、ああやって作るんだね。よくある軍隊物の整備班みたいな感じ。
こうして歩いているうちにさらさの目にとまったのはある扉。そちらに向かう姿を安藤が発見して駄目だそっちに行くなと叫ぶものの、それを聞かずにさらさは扉を開けてしまった。その先は舞台だった。
嘗て日舞の時に舞台経験があったさらさは舞台の華に惹かれて思わず舞台中央へ進む。なんて事をと思った安藤は重ねて叫ぶ。銀橋にだけは足を踏み入れるなと。銀橋は紅華のトップスターのみが立てる場所。と言うのは今回始めて知ったのだが、調べてみたらオーケストラピットよりももっと前の客席側にある部分なんだ。
舞台に誰か立っているのを見た照明係が照明を点灯してみる。浮かび上がるさらさ。
紅華で頭角を現すには努力と才能が必要だが、それに加えて運も味方にする必要がある。まさにさらさにはそれを引き寄せる力があった。