さよなら私のクラマー・第3話
大負けするのは承知の上での全国一位の久乃木との練習試合。そこまでは能見コーチの目論見どおりではあるが、深津監督からそんな事までして送り出す彼女達に未来のある女子サッカーはあるのかと問われてうつむいてしまった。おい、そんなんで良いのか。
蕨青南の全体を見渡しているのは曽志崎。確かにそう言う素質を持ってる子なのだが、おかげで部長の影が薄すぎる。チームを全く動かしていない。素質があるのにチームのせいで活かせていないのは周防あんたと同じだよと言うキャラ止まりで良いのか。
曽志崎は達観、周防は封じられ、そんなチームの中で恩田だけがキラキラしていた。そして曽志崎にパス回してと言う。なんでおまえにパス回すんだと言う。当然曽志崎は怒っていた。練習の時にあんなにやる気のなかったおまえにパスを回してどうるすのかと。すると恩田は点を入れる為だとケロっとして答えた。
漸く王様のお目覚めかと言われるとおりのプレイを恩田が始めた。あっさり股抜き(と言うらしい)でボールを維持してそして最後は白鳥にパス。これは決まったと思われたのに白鳥さん、何故キーパーの真正面にシュートしますか。そりゃ恩田も怒る。この後も白鳥はチャンスを潰すのだが、他にフォワードは居ないのか。ひょっとして好位置を取る才能だけはあるのか。
久乃木の方は合計で10点を取ったので鷲巣が出した課題は一つクリア。これでクリーンシートで行けば鷲巣が言った今後公式戦では出さないと言う目には遭わないですむ。ちょっとホッとした瞬間。
色々要因はあっても恩田が本気出した事で蕨青南の動きがよくなって来た。恩田が誘い込んで曽志崎をフリーにさせてしまう。久乃木さんもどうなんですかね、蕨青南で全方位的にまともにプレー出来る曽志崎をフリーにしちゃうとか。トップクラスのパスとか能見が言ってる人を。
ところがそのパスを周防が拾えないのだ。あの高速の脚はどうした。スタミナ切れなのか?ちょうどこのタイミングで周防は相手の3番から自分達はクリーンシートで勝たないと公式戦で使って貰えなくなると言うのを聞く。
これで周防が変わるかと思ったのだが、相変わらずスピードが出ていない。一方で恩田は光った。能見はもとより鷲巣も目が離せないと思う程に。
とは言え周防の本気が出ないから点差は益々開いて16対0迄行ったらしい。うーん、全然久乃木が得点してる場面無くてそんな所まで行ってるとは思えなかったんだけど。恩田は周防のやる気の無さに怒った。周防は今更ひっくり返せない試合に何をするのかと言う。曽志崎は百理あるとは思った。周防はこの先を考えていた。このまま久乃木には蕨青南は大した事ないチームだと思わせ、次の公式戦の時に油断させれば良い。下手に一点取ったら警戒されると言うのだ。周防、そう言う戦略眼あったの?
ところがそんな周防を久乃木の3番が逆に火をつけてしまった。六文銭の準備は出来たか?
周防のスプリントが復活。これで点が取れる…と思ったのに、シュートが決まらずに逆襲。それをさらにカウンター。ここで久乃木、ちゃんと鷲巣の教育が行き届いていて、動揺せずに久乃木のサッカーを維持。ただ深津から見たら青臭えと。
またも白鳥が失敗したボールは恩田が受けた。でも三人に囲まれて、あの噂の天才の井藤がボールを奪おうとするものの、恩田がそれをクリアしてシュート。天才井藤が恩田って何者と思った瞬間。でもその天才ちゃん、今日の話ではさっぱり存在感を出さなかったね。