ホリミヤ・第8話
この作品が始まったばかりの頃、小さくて可愛い綾崎が生徒会長の彼女、と言う説明だけ聞いた時は、やり手の生徒会長がマスコットに可愛い子を入れたのかと思った。でもその生徒会長が実はそんな完璧超人みたいなやり手の生徒会長ではなくて、どちらかと言うと沢山弱みを持ってる仙石で、綾崎の方はまあ資料を無くして堀に責任を押し付けかけたとか、仕事と言えば窓開けしかせずに河野が全部やってるとか、相変わらずな印象ではあったが、この馴れ初めを見たらそうでもないんだな。
仙石の弱みを沢山知ってる綾崎、最初は仙石だけが自分を見る目が違っていたから気になって、仙石の読む本を聞いてみたりする所から始まる。本読むよ、グリム童話、ゲーテって何?
そんな綾崎を全然気にせずに父が本を沢山持ってるからと家に誘っちゃう仙石君。うん、本が沢山あると聞いて、足の踏み場もない書斎を想像したが一面から二面程度に本棚があってそこに本が整然と並べられているだけだった。
やっぱり本が沢山あるってのは、部屋の中に本棚が櫛状に並んでいてそこからも本が溢れて床の上から積み重なっていると言うものじゃなかろうか。当然そこまで行くと戸建て住居で二階なんぞに書庫は作らない。底が抜けるから。
その読書仲間にあとから河野も加わる。そしてこの三人が生徒会って、やっぱり会長の縁故採用ではないのか。河野は仕事出来そうだけど。
世界が終わる日の前の日、仙石なら何をする?
「綾崎さんに告る」
おい、すらっと言ったな。
「レミも仙石君の事、好きだよ」
堀が宮村の足の爪にマニキュアをしていた。発掘したマニキュアが宮村に似合いそうと言うのでやっていたのだが、その姿を見て宮村が我慢出来なくなる。
お、何ですか、前回やっちゃったからもうちょっとした事でも我慢出来ないですか?
と思ったら足で堀を踏みつける行為の方だった。宮村、お前はやっぱりおかしい。踏みつけたらレベルが上がるとか。
やっておいて平伏して謝る宮村。堀はそんなに気にしていないが、でも宮村は普段沢田や進藤に対しては容赦無いのに、自分にはそんな態度を取るって事は普段自分に対して無理してるのか、そっちが気になった。でも宮村にとってはこっちが普通らしい。
と言う事で何か悪い事を吹き込まれた宮村。翌日登校して来ると、石川や井浦に無理した乱暴な口ききをする。石川が衝撃を受けてしまった。どうしたんだ宮村。仙石にもそんな態度だからビビる仙石。
資料を一緒に運んでいた堀と宮村だが、昼休みだと物理室開いてないと視聴覚室で一休みして二人きりになった所で宮村がこれはチャンスなのではと思う。
お、何ですか、前回やっちゃったからもうちょっとした事でも我慢出来ないですか?
って、乱暴な口ききの方かよ!
でそれを下級生に見られて妙な噂流されてるし。
その頃、吉川は声をかけられていた。実は柳と言う男子生徒から告白されていた。その返事を四日返事していなかった。吉川真面目だからわざわざ断りに会いに行くのに躊躇していたのだ。そりゃ断るよね。だって石川好きなんだもの。
ただ、柳は真面目そうな人だったので断る理由が「知らないから」だけでは弱い。そこで宮村が思いついたのが、誰か彼氏のフリをして貰ったらどうか。成程、彼氏居たんじゃ仕方ない。でもここで堀が邪悪(本人に悪気ないけど)な提案。石川に彼氏の「フリ」して貰おうと。え?っと驚く吉川だが、その時にもう宮村が電話で依頼しちゃった。
と言われてやって来た石川。よし、俺が彼氏のフリしてやる。今だけは彼氏なんだから手を繋いで現場に行くぞと。堀は興味本位でついていく。
そうして行った現場。全員が衝撃を受けた。
いや、吉川は石川の方がちょっとだけカッコイイと言っていたのに、柳明音が圧倒的にカッコイイ。名前ですら負けてると落ち込む石川。でも柳は石川を見て、彼氏いたんだとあっさり納得して引き下がってしまった。
柳ってどんな人間なのかと綾崎に聞いてみたら、カッコイイので有名ではあるが面白い人。目が悪くてそれで散々ドジを踏む。それを聞いた吉川、目が悪くて誰かと間違えているんじゃないかとわざわざ聞きに行く。でも柳はそんな事はない、ずっと吉川だけ見てきたと言う。ありゃあ、これは良い人すぎた。
でも目の悪さが致命的でコンタクト外してると堀、宮村、石川、銅像の区別すら出来ない。