神様になった日・第10話
夏休みが終わってしまった。陽太には普通の受験生の日々が戻って来た。そんな中でもひなの捜索をする活動はみんなで続けていた。
そこに突如彼がやって来る。鈴木央人が。一年下に転校して来たと言って直接陽太に話しかけて来る。陽太は何だそりゃと思うが(あとから思えばあの天願麻雀大会で優勝してるのでそう言う方面では陽太は名前と顔は知られているか)、既にスマホに登録されたので否応なしに知り合いになってしまった。
本当に央人、何しに来たんだ。そりゃひなの件以外あり得ないが。じゃ何をすると言うのか。
央人は陽太達の中にグイグイと入り込んで来る。阿修羅と陽太に二人はバスケ部だったんですよねと言ってバスケをやってみたいと言って、でも素人じゃない動きを見せる。学校帰りに何か食べたいと言ってお勧めの店を聞いたりもする。たこ焼きで釣られそうになったが、慌てて否定して結局神宮司のラーメン屋へ。あれ?ひなとの日々をなぞり始めたぞ。
そして四人で出来るゲームを何か、頭がひりひりする様なのと求めて麻雀が出て来る。だがここで陽太の反応が薄いと央人はチッと言う顔をした。そしてクリスマスに陽太の家に行った時、空が食べ物を運んで来たのをとらえて、陽太から聞いている妹さんですねと話しかけて映研らしいけど何か作った映画はあるのかと聞く。
そりゃあれがある。でもあれはひなが出て来る。何しろヒロインだ。空は陽太がそれを見るのが辛いだろうと考えて口ごもる。陽太はあれは未完成だからと言ったらすかさず空はそうだし完成してからと応じた。この空の健気さ良いなあ。
だがこの場面でも央人はチッと言う顔をした。
そしてどうやら共通テストが終わった後、模試の時はダメだと言っていた陽太はギリギリな状態だったのに阿修羅は絶望的な様子だった。
その時だ、央人がやって来た。そしてバスケもラーメン屋も麻雀も楽しかった、出来たら祭にも行ってみたかったと迄水を向けたのに相変わらずな陽太に央人がキレた。もう時間切れだ。ここ迄バカなヤツだとは思わなかったと缶コーヒーを地面に叩きつける。何事かと思った陽太だが、やっと気がついた。央人はずっとひなとやって来た事をなぞっていたではないか。慌てて追いかける陽太。央人は場所を変えて話そうと言う。
実は央人は自分から言い出さないと言う縛りを受けて陽太の所へ来ていたのだ。ああ、それで陽太が無反応だとチッと言う顔をしたのか。これ、ひょっとしたら央人がひなと陽太の為に何かしたいと言ったのをCEOがそれは出来ないと否定したものの、陽太の方から何か手伝って欲しいと言い出した場合はそれはこちらの関知するものではないって感じの話があったのかも。
陽太は央人からひなの事を全部聞いた。どんな病気で何故それが寛解してそしてその後それをどうされたのか。その上で央人は自分がどんな事でも出来る天才なのだがと言うと、陽太はまさかひなに会えるのかと聞く。陽太が望むのならと言う央人の言葉に間髪入れずに陽太は望むと答える。会えるひなが以前とは全く違う状態でも覚悟はあるのか?出来てるよ。これも何の迷いもなく。迷いなく佐藤ひなに会いたいと言う陽太を央人は連れて行く事にした。
陽太は母に出かけて来る、今度は長くなると言うと、時子は男の子はそう言う時が来るものだとあっさり認めた。なんだこの母。今回は裏事情を知らないと思うのだが。
尾熊の車に乗せて貰って行った先は最果ての地。そこのサナトリウムにひなは居る。央人の工作で陽太は研究員として入れる様になっている。あとは陽太次第だ。央人は神殺しの端緒を作ってしまった罪滅ぼしを陽太にした。
陽太は研究施設に入ってそこに居た女性に連絡が入っている筈だと確認させる。その人は司波素子と言うのだが、ああ今回OPで初めて見た女性はこの人か。央人の完璧な情報操作でひなの所へ連れて行って貰うが、そこには薄目を開けて横たわるだけのひなが居た。
チップを取る為の開頭手術を受けたと見えて髪の毛が切られてしまっている。そして陽太が近寄っても怯えるだけだった。司波によると男性に恐怖をおぼえるのだと言う。司波はひながこうなった理由を知らされていない。
すっかり変わり果ててしまい、意思疎通も出来ないひな。央人の操作によって陽太はひなを引き取る資格はあったが、ひながそれを望めばの話だ。ひなの父歳徳の言葉を思い出す陽太。自信を失いつつあった。
あと二話か。ひなには何とか陽太との思い出を蘇らせてみんなの所へ戻って欲しい。
そして最終話では映画を完成させると言うエンドに。