D4DJ First Mix・第8話
りんくがピキピキのクリパに出てから真秀は考えていた。りんくはピキピキのステージで輝いていたと。SNSを見ても飛び入りの子良かったと評判になってるし。
そんな時、中庭でお茶してたらピキピキの由香と絵空が新しい子を入れると言う話をしていた。それってりんくの事?いや絶対違うと思うけど真秀はそう思ってしまった。案の定ゲームの話だったけど。
そう言う理由で真秀の曲作りは進まない。むに達から急かされる。何しろクリパでやる筈だったんだからもう出来ていて当然だと。ごもっともな話ですが、物を作ると言うのは締め切りを失うと完成も遅れるもの、と言うのもまた真理。
中庭でお茶したらあんな話を聞いてしまったと、真秀は今度はカフェテリアで飲もうとしたら、そこにはりんくと響子がいた。響子が、あの話を聞いてみたらOKだったと言い、りんくはそれを喜んで、そして付け加える。ハピアラのみんなには内緒だよと。
真秀ショック。
すっかりりんくの引き抜きが決まったのかと気落ちしてトボトボと歩いていたら、しのぶがくしゃみをしたハンカチがモロに顔に落ちてきた。やべーぞ感染源だ。
拾ってくれてありがとうと言うしのぶは、このまま借りを作るのは嫌だからあがってお茶を飲んで行けと強引に真秀を誘う。お茶って聞いたからポットで淹れた茶が出ると思ったらペットボトルとか、老人には最近の若者の感覚はびっくりだよ。
しのぶの部屋は祖父から受け継いだと言う機材が鎮座していた。
これの参考になったのはこちらの機材だそうだ。
https://twitter.com/junnoske_suite/status/1342478380923453440
真秀はしのぶにりんくがピキピキに入るのかと聞いた。しのぶは聞いてないが響子がそうだと言うのならそれで良いと言う。でも真秀はどうなのかと逆に聞かれた。真秀は先日のクリパを見てりんくはピキピキに居た方が輝くのではないかと思っていたのだ。でも行って欲しくないのも事実。
そこにしのぶが良いアドバイスをくれる。だったらピキピキを超えるグループになればよいのだと。真秀には目から鱗が落ちる思いだった。
ここでしのぶの回想。祖父の影響で子供の頃からDJの曲作りをしていた。あれ?前回お父さんと一緒にベートーヴェンの交響曲第7番を聴いていたのはどうなりましたか?ともかくその影響で曲を作って小さい頃から凄いねって言われていた。そうして迎える中一の春、響子がしのぶを見かけて囚われのお姫様だと言ってしのぶに声をかけ、一緒にグループやろうと言って来たのは。
前回響子が言っていた様にしのぶはその時に断った。すると響子は一人で曲作りを始める。最初は拙い曲だと思っていたのにクリスマス向けの曲はとんがっていた。なのにそれは観客には受け入れられなかった。客は置いてきぼりな感覚に囚われたライブ。そのライブの後、しのぶは響子を呼び出す。あのライブは何だ。しょんぼりしている響子。
その響子にしのぶが言う。私にやらせろ、私がもっとノリノリな曲にしてやると。そう言って二人のクリスマスパーティーを一晩中してピキピキを結成したのだ。響子が言っていた12月25日がピキピキの結成記念日。
しのぶに言われて真秀が頑張る。そうして新しい曲でのライブ。大いに盛り上がってライブは成功。終わってから響子がやって来た。何か持って来たと思ったら例の貝殻のアクセサリーだった。あのカフェテリアでの会話はその事だったのだ。そうだったのかと分かった真秀が思わず涙を流す。