無能なナナ・第1話
予備知識ゼロで見たので驚いた。これは驚いた。
能力者が集められているある島の学校。しかし中島ナナオはそんな中にあって能力が無くていじめられていた。なるほど、こいつが無能なナナか。微妙にナナじゃなくてナナオだけど多分そうなのだろう。ずっと彼の語りで話が進むし。そう思って見ていました。
クラスでは火炎の能力のある飯島モグオ、氷の能力のある郡セイヤが幅を利かせていた。そんなクラスに転校生がやって来る。最初のカットで靴が見えて、ズボンだったからこれは男かと思った。小野寺キョウヤは名前だけ名乗って終わる。モグオがケチをつけるものの、自分の能力を明かす義務など無いと睨み返した。でも男の転校生じゃなあと思ったらあとから女の子の転校生が入って来る。彼女は柊ナナ。あれ?ナナ?ナナの能力は人の心を読む力だが、空気は読めないと自己紹介。能力があるからナナだけどタイトルのナナとは違うかなとこの時は思った。
このナナがナナオの隣の席となってしきりにナナオに声をかけて来る。そして空気読まずにクラスでいじめられているの?とか。ところがモグオがそこにちょっかいを出して来た。それに対してナナは良いとこ見せて自分とデートしたいと思ってるんだよねと、これまた空気よまずに人の心を読んでみせる。モグオ、ここで大変狼狽。
ただ、ひとつ引っかかるのはナナオがナナに対して自分の能力は大した事ないんだと言っていた事だった。能力あるじゃん。無能ではないじゃない。
ナナオには自称リーダーと言うあだ名もついていた。何故かと言うと中島家でナナオがこれまで特に優れた才能を出していなかったところへナナオの父の所に能力者学校への召集令状が来たのだ。だから父はナナオにそこでリーダーとなれと命令。ナナオは父の命に従って意気込んで自己紹介の時に「人類の敵」と戦う為のリーダーになりたいと言ったが、クラスの全員から冷笑されてしまった。リーダー格の能力を見せられなかったから。
そんな事までナナは読み取った。一緒に食事していたうちに。一方でナナはこんな能力のせいで今迄友達なんて居なかったと言うのだ。
学級委員長の選出が行われる。立候補する者と言うと能力者の集まりだけあって全員手を挙げるが、ナナオだけは手を挙げない。なのにナナはナナオを推薦すると言う。
とは言っても父の事迄踏み込んで言ってくるナナに流石にナナオは辟易としてしまう。厳しい言葉で拒絶するものの、その夜ナナは食堂にナナオが置き忘れた腕時計を届けてくれるのだ。
学級委員長の選出は力勝負と言う事になった。モグオとキョウヤに加えてナナオ迄指名されたものの、ナナオは棄権。モグオとキョウヤの戦いになるが、能力は使うなよと言われたのに先にキョウヤが使ってしまい、頭に来たモグオも能力を出す。だがキョウヤの能力の使い方の方が一枚上で、足を凍らせてモグオを地面に倒した。
これに納得が行かないモグオ、怒りに任せて巨大な火球を作って放つが、これはやり過ぎで、軸線上の全員が被害に遭いそうな時、ナナオはナナを助けようとしてその火球の前に立ってこれを消し飛ばす。
ナナオの能力は誰かの能力をキャンセルする力だった。
そうですか、そうですか、レベルゼロの主人公ですか。
助けられたナナと、ナナオが先日ナナが落ちそうになった崖に。おまえら、一度危険な目に遭ってるくせによくもまあそんな場所に行けるなと思ったら、ここでとうとうナナが本性を現す。ナナオを崖の上から突き落とす。かろうじてロープに捕まったナナオだが、ここでナナが自分の正体を明かすのだ。いや、明かさなくてもいいんだけど、物語としてはね。
実はナナこそが無能力者。人の心を読むと言うのは注意深い観察眼によって事象を見抜いたからだ。そしてナナの使命はこの島の能力者を皆殺しにする事。能力者こそが人類の敵なのだから。ナナオは力尽きて海の中へ落ちて行く。
あれえええ、主人公だと思った人間が第1話で死んじゃったよ!