トニカクカワイイ・第1話
星空と書いて「なさ」と読む。そんなキラキラネームを付けられてしまった由崎星空。そのせいで幼い頃に名前を聞いた大人が一様にクスっと笑ったり、同級生からなさなのに宇宙飛行士にならないのはおかしいと言われたり。
その為、一念発起して自分は名前によってとやかく言われない人間になるのだと勉強に励んだ。そして高校受験では筑波大学附属を受けると進路志望で出した。先生は一応驚くもののA判定だからそれは大丈夫だろうと。でも受験する日に何が起きるか分からないぞ。
自信満々の星空だったが、受験前にそれが起きてしまった。トニカクカワイイ女の子に出会ってしまった。これ以上無い一目惚れ。その子の後を追って声をかけようとしたら道路に飛び出してしまってトラックに轢かれる。
これ、死んだと思ったのに、その女の子が庇ってくれたおかげで重傷ではあるものの生きていた。女の子はその男の子を救急車で病院へ送ってと言い残して立ち去る。だが、ここで逃してしまってはダメだ。星空も慌てるトラックの運転手を残して女の子を追いかける。えー、まあアニメだからいいんだけど、どんなに本人が大丈夫って言っても運転手は絶対救急車と警察呼ばないとダメなので。
女の子に星空は名前を名乗る。女の子は服を貸して救急車を呼んでくれると立ち去ろとした。流石に星空はもう意識が保てなくなってその場に倒れるものの、それでもなお立ち上がる。君の事をかぐや姫だと思った。かぐや姫は何としてでも命をかけてでも止めなくてはならない。僕は君の事が好きですと告白。
女の子は応えた。私と結婚してくれるなら付き合ってあげる。
でもそこで星空の意識はとだえた。
星空は受験が出来ずに中学浪人。翌年は筑波大学附属に合格したみたいだが、彼女の居ない高校生活に意味を見いだせずに辞退して、その後は少しでも人を発見出来そうなコンビニのバイトとかをしていた。両親も思い詰める星空を心配して一人で暮らせる様にしてくれた。そうして星空は18歳になっていた。
そんな星空のアパートの一室にある晩彼女がやって来たのだ。約束を果たしに。結婚してくれるならと言ったからと婚姻届を持って来て。星空は一も二もなく婚姻届にサインしてその晩のうちに役所に婚姻届を出す。
こうして思ってもいなかった程あっさりと彼女、司との結婚生活が始まる。
布団が一組しかない部屋で。