くまクマ熊ベアー・第1話
完全に思い込んでいたのと違っていた。
まずはタイトルで、単純に間違えて「くまくまべあー」と思い込んでいたが「くまくまくまべあー」だった。「くま」は3回だったか。
そして何よりも内容を見誤っていた。
タイトルと公式サイトの絵とで、日常系みたいな、ある意味で「わたてん」みたいな雰囲気の作品かと思ったら、主人公の熊さん着ぐるみ少女がバトルする。えー。
そしてしかもその熊さん着ぐるみ少女はVRでゲームに参加してのあの世界。リアルでは別に何か深刻そうな人間関係を持ってるみたいな感じだった。
乗って来た馬が倒れる程の強行軍でこのすばタウンに到着した少年は冒険者ギルドに駆け込んで俺の村がブラックバイパーに襲われてみんな殺されそうだから助けてと叫ぶ。
ギルドでたむろっていた冒険者達だが、誰一人としてよし行ってやるとは言わない。それもその筈でブラックバイパーともなると上級冒険者でも手こずる相手で並の冒険者では歯が立たない。討伐軍を編成するにしても時間がかかる。でもそんな事をしていたら少年の村の人は皆殺されてしまう。泣きじゃくる少年に一人の熊ぐるみ少女が声をかけた。私が行ってやろうかと。
誰もがこんなふざけた格好の少女がブラックバイパーを相手に出来る筈が無いと止める。駆け込んできた少年もふざけるなと言うが、少女は腹を立てずにまあ大丈夫だからと言ってやる。但しギルドとしては正式に上級冒険者しか送り出せないと言うので少女は先行偵察と言う名目で行く事になった。
馬を乗りつぶしてしまった為に村へ帰る方法が無かったが、少女がパペットから二頭の使い魔の熊を出して馬よりも早く急行。それでも途中で野宿が必要だった。翌日に村に到着。人気が無いが、少女のサーチ能力で全滅ではないと言うのが分かる。少年は家に駆け込んで頭を抱えていた父に報告。このねーちゃんがやっつけてくれると。当然だが少年の父も熊ぐるみの少女を見て何をバカな事を言ってると怒鳴る。
それは慣れっこの様に少女は出かけてブラックバイパーが引きずった後を追い、それが途切れた所で様子を見ていたら地下からブラックバイパーが出現した。ああ、こりゃ村人が恐れるし、並の冒険者では歯が立たない。
確かに熊ぐるみ少女が攻撃してもブラックバイパーの外皮は丈夫で傷がつかない。だったらセオリー通りに中から攻撃だと動けなくして口を開かせてそこに攻撃をお見舞いした。
村に戻ると少年がやって来る所だった。もしおねーちゃんが襲われていたら、自分が囮になっておねーちゃんがギルドに報告出来るようにと。そうじゃないと村が救われない。少年のけなげな覚悟に喜ぶ熊ぐるみ少女。
村長がブラックバイパーが退治されたと聞いて涙ながらに感謝してもてなしの宴会をする。翌日は目玉焼きを食べて少女はギルドへ帰還。本当に退治したのかと聞いて驚くギルドマスター。
だが、これは実はVRの世界。ヘッドセットを取ると少女ユナは大きなマンションの一室で株取引をしていて、でも学校には行ってないらしい。どんな身の上なんだ。