富豪刑事 Balance:UNLIMITED・第7話
過去の回想になった。
仲本が武井の上司でチームを組んでいる。武井は当時の部長の齋木の娘を嫁に貰ったらしい。そんなつもりじゃないとは言うが、人生は仲本の言う通りで、人脈があってはじめて力を発揮出来る。嚢中之錐なんて話は余程の事でもない限り起こり得ない。
そんな話をしながら飲んでいたら仲本の携帯がなる。アンテナがある懐かしい時代の携帯。すぐに事態を察知した武井が勘定を机の上に置いて二人は飛び出した。現場に行くと殺人事件で、取り仕切っていたのは清水。この後の雰囲気から当時の一課の課長だろうか。
被害者は神戸小百合。物取りの物色の気配も残っているが、胸を一突きで物取り以外の可能性が強い。捜査本部が立ち上がり、清水は物取りと怨恨の二つの線で捜査すると宣言する。そして神戸家の者なので色々ノイズはあるだろうが、我々がやる事は一つ、犯人をブタ箱に放り込む事だと。
人間関係や携帯電話から20年位昔かなと思ったらあとから19年前の話だと分かる。殺人事件は刑事訴訟法の改正で昔は15年で時効だったのが現在は時効が成立していない事件も含めて25年になっている。だから未だ本件は時効が成立していない筈。
仲本と武井は神戸家に向かった。あのおばあさんに質問をするものの、夫の重丸(?)は今は海外で居ない。写真も無い。とないない尽くしで取り付く島がない。仲本は抜け目ない行動に出た。トイレを借りるが、執事が居なくなったのを見計らって家探しをした。
そしてどうやら目撃者の尋問で、犯人らしき人物を見かけた男にこの中にその人間は居るかと尋ねる。神戸家からアルバムをくすねてきた。いやはや強引な捜査だ。そして男が指したのは神戸重丸。小百合の夫にして神戸家の御曹司。神戸喜久子は息子に嫌疑がかかるのを嫌って何も言わなかったのだ。
重丸が容疑者に上がったものの、それ以上の手がかりは無い。清水は部長に呼び出されて本件はデリケートな事件だから逐一報告しろと言われている。そこに武井入室。ここまでの報告書を清水に持って来た訳だが、部長は武井の岳父。声もかけられる。仲本は突っ走るから大変だろうと。
その突っ走る仲本さん、ある日アルバムを見返していたら写真に膨らみを見つけた。写真を取り出してみたら裏にコインロッカーの鍵がある。そして謎のマーク。これは捜査本部が立ち上がった時に渡された資料にあった。俺は横文字も数式もからっきし分からねえと言ったあの時の記号だ。重丸の研究していた物と関係のある記号か。
そこに清水が入って来る。神戸家からアルバムを盗み出したのを責める。そこの写真に手がかりがあったとしてもそんなものは証拠にはならないんだぞと。この清水が入って来る前に仲本はさっきのコインロッカーの鍵を引き出しにしまっていた。
ところがある日、容疑者とされていた重丸の自殺死体が見つかる。もうこうなったらコインロッカーを開けてみるしかない。だが、引き出しに鍵をかけてしまっていた筈のコインロッカーの鍵は無くなっていた。それに時間が経ったらコインロッカーって強制的に開けられるんじゃないの。
とうとうこの事件は迷宮入りとなる。仲本は武井に出産祝いを渡し、清水とともに島流し部署へ。清水が仲本は分かるがどうして自分もなんだと愚痴っていたので、コインロッカーの鍵を奪ったのは清水ではあるまい。
そして現在。迷宮入りだと思っていた神戸小百合殺害事件は、神戸が配属された事で仲本はこの事件の新たな手がかりが得られると感じていた。そこで発生したのが井村殺害事件だ。正確にはその前にあるポリアドル大使館監禁事件。
あそこで井村が殺される。井村の車が暴走して警視庁に連行される。暴走も車の暴発も誰かが外部から行った筈だ。そしてそんな事が出来るのは神戸大助だろう。仲本も加藤もそう思ったし、一課の武井もそう思った。武井、そう思った時の顔が何か鬼気迫るものがあった。星野がそれだけで犯人に出来ないのではないかと心配する程に。
加藤が神戸に電話をすると神戸はあっさりと井村の車の暴走の件は認める。しかしそこで電話が切られ、業を煮やした加藤は神戸家に突入。
一方武井はこれで神戸大助をしょっぴけると思った顔で自分の車に乗り込んだが、あの駐車場で車に乗る場面って井村の件があるからやべーなと思ったら武井もやられてしまった。そして武井が気がついたらあの回想で現れた中。回想の中で追い詰められる武井。おや、するとコインロッカーの鍵をどうこうしたのは武井なのかな。あの中で知ってるのは武井だけだし。岳父の部長の指令で動いていたか。思わず俺じゃないと言って電話しようとした先がその部長。
と言うVRを見ていたのさと、気づいたら神戸家のセットの中。これでどうもあの部長が黒幕らしいと燻り出される。仲本にとっては迷宮入りにされた事件、神戸にとっては父母が殺された事件、その真相は。