三ヶ月前にたった2話だけやってお休みになってしまった富豪刑事が再開。
でもその三ヶ月は確か国際犯罪のシンポジウムで香港に行ってくれと言う場面で終わったと思ったのだがもう帰って来たのか。まあもう香港では自由と民主主義が奪われてしまったからね。
どうやら神戸大助にも頭の上がらないおばあさんが居るらしい。直系の祖母なんだろうか。加藤が余計な事を言うと睨んで、でも祖母の言葉には全く逆らえない。大助の唯一の弱点か?その祖母に人生の先輩として大助を指導してあげてと言われてしまっては、大助もそうそう逆らえない。
名古屋出張からの帰りの新幹線の中で加藤は品川到着が近づいた頃に隣の青年に声をかけた。もっと前からどうやら話はちょっとしたみたいではあった。何しろ大学浪人生だとこの時点でもう知っていたので。それにしても相変わらず他人に踏み込んで来る奴だなとは思ったが、でもこれのおかげでこのあとの展開が出て来る。その受験生は英会話を聞いていたが、それは妹を「アメリカに連れて行ってやる」為なのだと言う。「連れて行ってやる」がここで違和感があった。
そんな受験生に大助は気安くコンビニのおにぎりをくれてやる。当然受験生は断るがお腹がなってしまったのでいただく事に。それに大助はこのあと品川で駅そばを食べたいのだそうだ。おまえ、一体どれだけ食べるんだ。私など登山のお昼でもおにぎり一個でお腹いっぱいになっちゃうのに。ペコリーヌかよ。
ところが加藤が品川で新幹線改札口を出た所で異変が起きる。乗客を全員避難させているのだ。加藤は警察手帳を見せて何が起きてるのかと聞くと立てこもりだと言う。ホームに上がって駅員に聞いたらすぐ先で停車している新幹線の先頭車両で若い男が人質を取って立てこもっているのだそうだ。うん、先頭車両で若い男ったらあいつか。でも何故。
先頭車両に入ってみたらやはりあの青年だった。テンションがすっかり変わってしまっている。そしてカメラを三脚で立ててどうやらライブ配信しているらしい。加藤は見てすぐに彼だと分かったが、青年はお前など知らないと拒絶。加藤は仕方なく先頭車両から出る。
するともうそこには一課が来ている。なんでここに加藤さんが。
たまたま乗り合わせたと言う加藤は下車寸前に聞いた彼の素性を伝える。そんな因縁があるから、自分も手伝わせろと言う加藤だが、星野は加藤にその資格は無いと言う。
以前チラと加藤が犯人を撃った場面が出たが、実はそんな生易しい話ではなかったのだ。発砲を許可されて犯人の腕を見事に撃ったものの、何故か女性行員が怪我をした犯人に駆け寄り(ここまでは分からないまでもない)、あまつさえ犯人の銃を持って加藤に照準を合わせたので加藤はその行員も撃たねばならなかったのだ。それが心に傷を作った。そして一課を去った。
加藤がその場を去って改札を出ると、ぱかチューブ…いやチェーンチューブで立てこもりの実況をやってると言う。再生数1000万を超えたら仮想マネー1億コインが振り込まれるらしい。ああなるほど繋がった。
そんな時に加藤に声をかける神戸大助。神戸の車に乗って一課の通信をモニタすると、SATを配置して、犯人を確認したら外から狙撃するらしいのだ。加藤は驚いた。一課は犯人はもう人を殺している様で説得は不可能と判断したらしい。でも加藤が見た彼はそんな人間じゃない。人を殺す様な奴じゃない。
その呟きを受けて神戸が装備を出す。新幹線の高架橋に釣り上げられ目的の車両に近づく。またも一課の通信が入った。交渉人として星野が乗り込み、犯人を前から4列目迄動かし、そこをSATが狙撃して射殺する。驚いた加藤がヒュスクに割り込みを依頼して武井課長にどうして説得しないのかと言う。加藤の割り込みに驚いた一課の面々だが、それしかないとの判断は覆せない。
どうしたのかと神戸に問われた加藤は奴を死なす事だけはしたくないと言うので、神戸は行動する。もっともそれ以前にヒュスクに車両で人質にされている人達の素性は調べ上げていた。車内で横イツの解散コンサートに向かっていたおばさま達だ。
車から煙幕弾をぶち込み(これか、新幹線の線路破壊の賠償は)、煙にまぎれて先頭の運転席にとりつき、窓を破って中へ。
運転席側に加藤の姿が見えた(見えるんだっけ?)ので武井課長は加藤に通信をして発砲を許可する。責任は取るからと。また許可されてしまった加藤。加藤は青年のメールの内容を見たいとヒュスクへ(段々加藤もヒュスクの使い所が分かって来たな)。すると出て来たのだ「すぐに手配可能な手術概要をお伝えします」と言うメールが。
加藤は客室へ乗り込んだ。こんな事をしてお前の妹は喜ぶのかと。そう、チェーンチューブを見ていた若者が言っていたが、1000万再生で1億コインが手に入る。それで妹を手術の為にアメリカに連れて行ける。まあ加藤ならそっちで攻めるだろう。でももっと冷静になれ。こんな形で1000万再生に達したって運営元は賞金出すわけ無いじゃないか。模倣犯出てしまうだろう。
しかし事態は警察と犯人の睨み合いだけで済まなかった。横イツの解散コンサートにどうしても行かなくてはと言うおばさま達が青年ににじり寄る。この時点では犯人は本物の銃を持ってる前提だからそれは危ない。
と、その時に車両の右側から歌が聞こえて来た。横恋慕ストレイツの特別臨時コンサートがこの車両めがけて行われた。神戸またぞろ無茶したな。おばさま達は我を忘れてそちらへ。そのはずみで青年は銃を取り落とす。星野が無事に拾ったが死んだと思われていたおばさんも気がついてそちらに向かう時、今度は星野の銃が青年の方に転がった。
今度は警官が持っていた本物の銃。加藤と青年の睨み合いに神戸が横をすり抜けて青年に近づく。監禁致傷の現行犯で逮捕する。おまえの妹は俺がアメリカで手術を受けさせる。覚悟した青年は銃を神戸に渡した。
あとはヒュスクが全て始末。動画のデータも消去し、賠償もする。必要な費用も。そして加藤の問に、おまえがあいつは人を殺す奴じゃないと言ったからやったのだと神戸は答える。