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八男って、それはないでしょう!・第12話・最終回

ルックナー会計監査長の使者からドラゴンを操る笛を受け取ったクルト。以前ヴェル死亡説と言うガセを掴ませたお詫びと、クルトが正式に領地を継承した時の未開地に開拓権の融通で特別にお金は要らないと言う。それで納得したクルト、これを使ってヴェルを亡き者にしようと決心した。

ヴェルが一人で森にでかけると言う噂を流したらクルトがそれに乗って森にやって来た。いや、そんな工作はお見通しでヴェルの取り巻きも一緒だと分かっていたのだ。だからヴェルが棒読みでこんな所に何故兄さんがとか言っても、取り巻きも出てこいと。これは逆にこれだけの多勢でもヴェルをやれると言う何らかの自信があるのだ。

それがこの竜使いの笛。ブランタークはそう言う魔道具の存在は知っていた。まさかそんな物を持ち出すとは。ドラゴンなら以前も倒した事があるでしょうと言われるが、この魔道具を使うとそこら中のドラゴンが呼び寄せられる。数が多すぎていくらヴェルでも力が尽きてしまう。

しかしそんな多数のドラゴンを呼び寄せたら周囲の村が全滅してしまう。クルトの妻も子供も死んでしまう。そう言われたクルトがそんなものはまた作れば良いと言い放った。領主となって金が入れば女など選び放題。だから今の妻子は要らないと言うのだ。これはヴェルを決定的に怒らせる言葉だった。アマーリエがヴェルのお情けを誘おうと子供達を近づけただけに逆にクルトに対する強い怒りとなる。
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とは言っても手を出そうとしたらクルトは笛を吹く。いや、だからさ、取り巻き共出てこいと言われて全員が出るのが考えなしだったんだよ。少なくともブランタークは「取り巻き」とはちょっと違うのだからそのまま隠れていれば良かったのに。まあそれじゃ竜使いの笛の解説出来ないけどw

クルトの目の間にいるけど不意を突けばと思ったブランタークが遠距離攻撃。だが運悪く竜使いの笛がそれを防御して、もう容赦しないとクルトが吹き始める。

でも様子がおかしい。竜が来るなんて状況ではない。何だか怨念の塊らしいものがクルトの周りにまとわりつきはじめた。やはりあれは竜使いの笛などではなかったのだ。そんなレアな物がクルトに渡される筈が無い。あれは怨嗟の笛で、吹いた者に怨念がまとわりついてその者をアンデッドにしてしまう。

ブランタークはヴェルに勧める。はやく浄化魔法を使えと。この期に及んでも躊躇うヴェルにあいつはもう死んでいると。ヴェルに代わってエリーゼが怨念の攻撃を防ぐものの、クルトの恨みが強すぎてエリーゼの力だけでは防げない。ここに至ってやっとヴェルもエリーゼと力を併せて浄化魔法を発動。クルトのアンデッドは吹き飛ばされ、笛はその場に落下したがクルトの顔だけがどこか遠くに飛んでいった。

飛んで行った先はルックナー会計監査長の所。取り巻きがこれでヴェルがやられれば儲けものと完全に使い捨ての話をしているところへクルトの怨念が飛んで来た。これ完全に呪詛返しだ。これでルックナー会計監査長とその一族10人以上の貴族が死亡。
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この件についてはこれで片が付いたが、あんな魔道具をいくらルックナー会計監査長と言えどもそうそう簡単に手に入れられるものだろうか、あるいはここまでが王宮の仕組んだものなのかもしれぬなとブランタークが言うので、ヴェルはもう我慢出来なくなった。貴族ってなんなんですか。こんな陰謀だらけでしかも事件の責任を誰一人とらない。こんなのもう沢山だと。でも、とブランタークが窘める。お前だって貴族なんだぞ。お前はいつも何か傍観者みたいだと。

確かにヴェルは転生してこの世界に来た訳だが、でもなあもう随分年月が経っているだろうに。

そう言われて自分は今でもこの世界を受け入れられないのかと夜空を見上げていたヴェル。その傍らには正妻エリーゼ。エリーゼに自分はここにいる感ないのかなと聞いてみたが、月見団子を差し出してくれたエリーゼのおかげでこの世界で生きる最終的な覚悟が出来たのかもしれない。

王宮にて今回のヴェルの手柄を褒める国王ヘルムート三十七世。その褒美としてあの未開地を全て領地として与えると言う。だが、それは逆に開墾の義務を負う事になるのでそれ以外に何か望む物はあるかと問う。

これに答えてヴェルは空席となった爵位の中で2つを自分に任命権を与えて欲しいと言い出した。これは国王大権を犯す望みなので王をはじめとして周囲もざわつく。ヴェルの要求に周囲の貴族たちの意見も割れた。これを静めたのはアームストロング。王の御前である。ヴェルの要求がどれだけ大それたものかはこの状況で分かるだろうと。よって王に申し出る。あの未開地の一部だけをヴェルに与え、残りを自分に封建して欲しい。

だが王はその要求は認めなかった。アームストロングが封土に出向いてしまっては困る。未開地は全てヴェルに下げ渡す。そしてヴェルを伯爵に陞爵し、二つの爵位の任命権までも与えた。だがヘルムート三十七世、実はしたたかな王で、これがアームストロングを筆頭とした貴族達の芝居と見抜いていた。
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ヴェルがどうして爵位二つの任命権に固執したのかと思ったら、アマーリエの二人の息子の為だったんだな。成長したらヴェルからあの子達に爵位を授ける。これで寡婦となったアマーリエも安心できる。ただ、クルト事件でバウマイスター領でも王都でもアマーリエを反逆者の妻と見る目があるのでそのまま安住は出来無さそう。これはもうヴェルが囲うしかないよね。

と言う事で、第1話の開拓の場面に戻る。ヴェルの望みはここに味噌醤油工場を建てる事だった。この物語、どうしてそれにそこまで執着するのか。

前回か何回か前に書いた様にこの物語は冒険だの戦闘だのよりもそれを材料とした貴族社会の争いの方がメインなんじゃないのか。

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