ID:INVADED イド:インヴェイデッド・第10話
帽子を被ったヤツ=ジョン・ウォーカーが連れて来た殺人者の中でカオソギは鳴瓢が片付けた。しかし飛鳥井が夢の中で殺される事態は終わっていない。飛鳥井の話だと僅か5分程のうたた寝でも夢の中ではじっくりと甚振り殺される事もあった。そうなのか、寝ている時間の長さとその中で起きている時間の長さは全くリニアではないのか。すると鳴瓢が入ったこのボーナスタイムも10分の筈だったのがこんなに続いているのは納得出来る。
こうして時間が経って鳴瓢はある程度治って退院。今度は百貫と一緒に飛鳥井を訪ねる。その間にも過去の殺人者は始末して居た。そろそろ飛鳥井を憔悴させる元凶は居なくなって来ていた筈ではあったが…。だが久しく会っていないうちでも、百貫の話によると日に日に衰弱していると言うのだ。
病室に入ってみると白衣を着た男が飛鳥井の頭に何か被せていた。何か診察だろうかと思ったが、男は装置を取ってさっさと出て行ってします。百貫が後を追って名前「白駒二四男」は聞き出した。
にしても声優さんがマッドサイエンティストで定番の飛田展男さんってのがなあw
飛鳥井の見る夢は、殺人者が計画している意識が流れ込んで見る夢もある。だから結果的にある意味で未来視になる事もある。
そうだとして、だったら自分がイドの中のイドに入って今ここでこうしているのは現実であって、イドの中に入ると言う未来の出来事は、それこそがイドの出来事なのではないか。そう思い始める鳴瓢。そう言う可能性もあるし、そして何よりも鳴瓢にとってはその仮説の方が望ましい。だって今ここには自分の妻の綾子も居るし娘の椋も居る。
ああ、これが百貫の言っていた罠なのか。
ある日の夜中に鳴瓢に百貫から電話が入る。飛鳥井の入院していた病院で看護師が十数名も昏倒し、そしてその間に飛鳥井が居なくなった。監視カメラもその時の映像が残っていない。何か思い当たる事はないかと言う電話だ。だが、鳴瓢はすげなく答える。特に思いつく事はないと。ひょっとして百貫に教えない方が良いと考えてこの答えとなったのかと思ったが、罠の話の方を考えると鳴瓢は自分の関わりのない事だと思いこむ様になったのか。
鳴瓢は百貫と車に乗っている時にある男の姿を見かける。そして思い出す。アナアキ、一緒に入ったお前が残っていた。そう考えて後を追う鳴瓢に銃を置いて手を上げろと言う声が背後から聞こえる。
本堂町じゃないか。とうとうイドの中のイドで鳴瓢と本堂町が出会う。そして本堂町がここで過ごしている時間と鳴瓢が過ごしている時間が全く違っている。本堂町が鳴瓢に酒井戸の話を持ち出すと、まるで鳴瓢は狼狽したかの様にそれを否定した。もうこの世界に絡め取られてしまっていたか。
異なる時間軸の二人が出会ってしまった事でこの世界が崩壊を始める。この世界が消える。それは取りも直さず鳴瓢から見たら愛妻と愛娘が消えると言う事ではないか。慌てて鳴瓢が綾子に電話をかけた。綾子も椋も電話の向こうでは普通の生活を送っていた。綾子が言う「今どこにいるの?」それは綾子の居ない世界なんだよ。
鳴瓢にとめどなく綾子と椋と一緒の暮らしの過去が流れ込んで来る。あの良き日々。それが今ここでまた消えて行く。もう二人の世界には居られない。覚悟した鳴瓢が二人に「必ず帰る」と告げて電話は終わった。
そんなタイミングで穴井戸のところでは10分が経過した。穴井戸は酒井戸を排出する。消えかけた鳴瓢はここまでのメモを本堂町に託した。
コックピットに戻った酒井戸。時計泥棒の事を思い出してこれはカエルちゃんと結ばれていたものだった筈だと穴井戸を責める。だが、穴井戸は待っている間にもっと別の事をしていた。実は穴井戸は頭に穴が相手脳の一部が損傷しているせいか、イドに潜った時でも元の状態の記憶が消されずに残っていたのだ。それを蔵の連中には気づかせないでいた。そして待っている間に時計泥棒と目された相手を調査していた。これは実は鳴瓢。そしてそのポケットの中にはこんなものが入っていたと。
ここに繋がるのか。
そして引き起こされるイドの嵐。その中に見えたのはジョン・ウォーカー?