虚構推理・第11話
四番目の解決策行きます。今回のは最後の一撃。それはここまでの三つの推理では六花は大元の事象については反論しなかった。最終的な結論だけを否定していた。まさにそれこそが琴子の狙っていた線だ。六花をはめていたのだ。
そして四つ目の虚構推理は犯人は七瀬かりん=七瀬春子説。七瀬かりんは出会ってしまった。逃亡先で世間の風評が静まるのを待って、もうアイドルは無理だけど普通の生活が出来る様になるのを身を隠して待とうとしていた所に、自分と背格好がほぼ同じ子を見つけてしまった。
思わず呼び止めた七瀬かりん。その子に少し身代わりをして欲しいと頼む。その子にどんな事情があったか分からないがその子は七瀬かりんのその話に乗った。そしてホテルに連れて行く。この時点で七瀬かりんはもうこの子を自分の身代わりに殺して自分がその子になりすまそうと考えていた。
だからホテルの調度品にはその子の指紋をつけさせる。身代わりだから服も身につける物も全部交換して髪も七瀬かりん風にする。絵面では髪の毛の色が全然違うけど、これはまあ作画演出上と言う事で。どちらも本来は黒髪なんだろうとは思ったが、ふと思うのは七瀬かりんはアイドルだったので着付けなどの専任の人間が居たと思う。日本人の髪の毛は大抵はどの人も黒いと言っても専門の人間が見たら髪質が違うのは一目瞭然だと思う。警察は顔が潰れて七瀬かりんと確証が持てないのならそう言う人をどうして鑑定に呼ばなかったのか。
ともかくこうして七瀬かりんはその子と入れ替わる事に成功した。いや、随分無理がある気がするんだけどなあ。でももう掲示板の住民はその辺が麻痺していたのかもしれない。ここで住民自身によってこの推理が正しいのか、あるいはその裏付けはどうなのかと言うのを議論しはじめた。今までとは明らかに流れが違う。
鋼人七瀬の噂が出始めたのはいつだ。七瀬かりんが死んでから何ヶ月か経ってからだ。それは死んですぐだと逆に怪しまれる。だから時間をおいたのだろう。その間に、入れ替わった七瀬かりんが周囲で怪しまれる事態が起きて、それで七瀬かりんが死んだ事にする為にこのまとめサイトを作って七瀬かりんはちゃんと死んだ事にしたのではないか。そんな議論が住民自身によって行われる。言われただけの推理ではないので確からしい気持ちになって行く。
そして琴子は寺田刑事が殺された件もこの流れで説明を始めた。寺田刑事はずっと鋼人七瀬に関して注意を向けていた。そんなある日、あのガソリンスタンドの傍らで寺田刑事は入れ替わった七瀬かりんらしき人物を目撃した。
あの胸の大きさが気にかかったのだ!
いや、寺田刑事は別に巨乳好きと言う訳じゃないんだけどと紗季のツッコミが入るが、どうせこれは虚構推理なので。
職務質問をしているうちに寺田刑事は気がついた。彼女は死んだと思われた七瀬かりんなのではないのか。その一瞬のすきを突いて七瀬かりんの懐中電灯攻撃が炸裂!寺田刑事は気絶してしまい、その寺田刑事は鋼人七瀬にやられたと見せかける為にやむなく顔を潰して殺す。うーん、これも相当無理がある。
この間も六花と九郎がお互い死に合って未来の決定権の奪い合いをしていた。六花などは死んで生き返って掲示板に反論を書くと言う大変な作業。あれ、復活する時に飛び散った血液も戻るから大丈夫だけど、飛び散った血液そのままだったら大変だな。
押し戻そうとする六花に対して琴子のトドメの一撃。こうして七瀬かりんが死んだ事にしたいのは七瀬かりん本人。だからこの掲示板の管理人こそが七瀬かりん本人なのだ!
紗季が「えええ!」って驚いているけど、今回の推理で犯人は七瀬かりんだ!と言い出した時点でじゃあ掲示板も七瀬かりんが作ったよねと言う流れになるだろうとは思っていた。
但し、これは掲示板の住民には大きな指摘なのだ。と言うのも、今までその場で七瀬かりんの亡霊に関して議論していた人達が、七瀬かりんの仕込みによって踊らされていたと知った時の反感の向きは圧倒的なのだから。もう六花が何を書いても聞く耳を持たない。それはつい最近我々はワニの件で実例を見たではないか。仕込みだと思った人達は怒りの矛先を仕込みをした相手に集中させる。
これで六花の敗北は決定的になる。もう抗する手段を失ったのだから。
嘘から生まれた怪物は嘘によって滅びよ。
琴子と九郎の初めての共同作業でした。
長かった鋼人七瀬編はこれで終わりで来週最終回はキャッキャウフフですかねw