バビロン・第8話
悲惨な第7話から一ヶ月半ぶりの再開。
どうして正崎の周りにあんなに人がと思ったら、ああ、その人達は全部殺された人達ですね。
新域議会選挙は自殺容認派と否認派が各々48%づつで中立が4%。事実上の容認派の勝利で、齋は姿を現して域長の座に戻った。一方で野丸は落選して政治家としての影響力を失う。もう齋のやりたい放題。
今回の件で正崎は自宅謹慎をくらったらしい。それでもなお、未だ家族が無事なのはちょっとだけ救いがあると言うところだろうか。そんな正崎の所にある日外国人が訪問する。彼サミュエル・ハーディはFBIだそうだ。
そう言えばニュースでカナダのハリファックスで新域と同じ様に自殺法が可決されたと言っていた。どうもそれ絡みだろうか。正崎に話を聞きたいと言う。正崎は、良いだろう、条件を飲めば自分の知っている事を全部話そうと。
そしてBパートでいきなり話が変わる。小さい頃は身体が弱くていつも熱を出していた少年。それを聞くとどうしてもマインを連想しちゃうのですが。このアレキサンダーはそれを自分で克服して行く。出来る事は全部する。そして身体が弱かった分、自分で考えられる事は慎重に考える。まあ確かにしょっちゅう風邪をひいて熱を出していたのは私も同じで、子供の頃はあまり分からなかったけど、ある時ラジオで日高のり子さんだったかが、声のお仕事だから必ずうがいを欠かさないと言っていたのを聞いて、あの日高さんがそう言うのならとマメにうがいをする様になってから風邪やインフルエンザに感染して寝込むのは「減った」。
そのうち彼はネトゲをする様になった。PCのモニタがブラウン管の時代。持ち前のよく考えて行動するのが功を奏していつの間にかアレキサンダーはEOで最高点を叩き出すプレヤーになる。ある日初心者からプレイのコツを聞かれて教えているうちに、その初心者とよく会話する様になり、やがてオフで会う約束をした。雰囲気から女性とは分かっていた。
そして会ってみたらまるでモデルの様な女性で自分よりも背が高い。アレキサンダーは完全に気後れしてしまう。自分が釣り合う様な相手ではない。だがそれがエマに伝わる。その日の最後の場面でエマはアレキサンダーを叩く。あなたは自分を卑下して今日は心ここにあらずだった。でもあなたはそんな人間じゃない。EOでは伝説のプレヤーとまで言われる素晴らしい人間ではないのかと。そう言って背をかがめてアレキサンダーにキスをするのだ。
そんな話と並行して米国の国務長官テイラー・グリフィンと大統領首席補佐官エドムンド・ジュリアーニらがカナダとフランスで自殺法の可決の話をしている。フランスの様な安定した国では死にたくなる連中もいるのだろうと最初は比較的軽い口調ではあるものの、情報収集は怠らない。そして日本の外務大臣にも電話をしてみたものの、日本の外相は言を左右にして碌な情報をもたらさない。
などと言う話がアレキサンダーの話と並行して進むので途中で気がついた。彼は…
アレキサンダーは彼女と結婚して子供オリバーが居た。ある日オリバーが彼に問う。カナダやフランスで自殺を容認する都市が出現した。学校では自殺は悪いことだと習ったのに、友達の間ではそれを聞いて混乱している。自殺って悪いことじゃないのかと。
思慮深いアレキサンダーはゆっくりと我が子に言い聞かせる。実は聖書には自殺は悪いことだとははっきり書いてはいないのだ。そして今自分はその事について考えているところなのだと。
国務長官と首席補佐官はとうとう自国に自殺法を容認する都市がハートフォードに飛び火して来た事で黙ってはいられなくなった。大統領に面会を求める。
そう、アレキサンダー・W・ウッド、EOでのニックネームがAWWに。
大惨事でもはや手を拱くばかりとなった正崎だったが、自殺法が海外に飛び火した事で米国からのアプローチが。
それにしても、AWWの妻となった人間、曲世愛の前歴があるからあれだけ体格が違って顔が違って米国に居ても、あれが曲世ではないとは思えない。分からないけど。