俺を好きなのはお前だけかよ・第1話
これもタイトルから大まかな展開は予想出来た。
この作品は本名から漢字をいくつか抜き出してニックネームにしていて、主人公の如月雨露は如羽露でジョーロ。どこにでも居る平凡な高校生。桜の咲いた新学期は世界が輝いている様。
そこに幼馴染みの日向葵登場。文字の順をちょっと変えて向日葵=ひまわり。ベタベタとくっついて来るひまわりと一緒に登校すると親友の大賀太陽が今日も二人は仲良しさんだなと迎えてくれる。この場面、ちゃんと見てるとひまわりがぴくんとしているのが分かる。
太陽は文字通りにサンちゃん。野球部のエースでイケメンで文句なしの好男子。何故かジョーロとは仲良しなのだそうだ。
そしてジョーロのクラスに彼を迎えに来たのは生徒会長にして容姿端麗の秋野桜。秋の桜=コスモス。彼女もサンちゃんが居たのを見てやはりぴくんとなる。
生徒会の仕事が一段落したところでコスモスが土曜日に一緒に出かけないかと誘って来た。これはデートのお誘いではないか。舞い上がりつつジョーロはOKをした。その時にコスモスのノートがチラと見えたが、ジョーロを誘って土曜日に何をして…と言うのが事細かに計画されていた。うーん、これはこれで面倒くさい性格ではないか。
その夜、ひまわりからLINEが入って土曜日に会いたいと言うが、土曜日はコスモスの先約があるので日曜日にと変えて貰う。
土曜日にいそいそと駅で待ち合わせをしてすっかりデート気分だったジョーロだが、別れ際に公園でベンチに座らされて明かされたのはジョーロの親友のサンちゃんが好きで、でも接点が無いから仲を取り持って欲しいと。衝撃のジョーロ。でも仕方ない、引き受けた。
日曜日に落胆した顔でひまわりと会ったが、ひまわりがくっついて来る事で気持ちが和んで来ていた。だがその日の別れ際、またもベンチに座ってひまわりが言い出した事は僅か一日前にあった事と同じではないか。そして最後に言う、ジョーロの親友のサンちゃんとの仲を取り持って欲しいと。これも仕方なく引き受ける。
何が悪かったんだと嘆くジョーロ。そして床に落ちた参考書は実は参考書のカバーを被せた恋愛マニュアル本だった。
翌月曜日、同じ風景の筈なのに桜がどうしたと言う平凡な高校生からモブな高校生にランク落ちしたジョーロ。すっかり闇落ちしていて、でもこれを変な方向に前向きに考えていた。どうせどっちかしかサンちゃんとは付き合えない。だったら余った方とつきあえるんじゃね?と。良いのかそれで。
とは言ってもすっかり二人にはネガティブな気持ちでひまわりはビッチめと思ってるし、コスモスにはアバズレと思ってるし。それでもそれを隠して二人にはいい顔してサンちゃんへの取り持ちを演ずる。演ずるんだけどひまわりとコスモスの二人はちゃんと演じられないw
あーあ、疲れたよと昼休みに誰も居ない図書室でひとりになりたかったジョーロだが、そこに迫って来たのは自分に対して悪態をつくから嫌いな三色院菫子=パンジーだった。パンジーは実はジョーロのストーカー。三人にいい顔してるのを漏らされたくなかったら自分の話を聞けと図書室に設置したベンチに座らされた。
そしてあの二人と同じ様に話を始められたので、ああこれもサンちゃんとの仲を取り持つのかと期待したジョーロだったが、パンジーが好きなのはよりにもよってジョーロだった。
不幸ダーw不幸なジョーロ君の未来は一体どうなる。