コップクラフト・第12話・最終回
FBIに捕まったケイとティラナが放り込まれた先にはゼラーダが居た。やはり色々操っていたのはゼラーダ。ただ、首魁は誰だ?と言うのは色々入り乱れていたが、結果的にはやはりゼラーダだった。
ゼラーダとティラナは最初はセマーニ語で会話していたのに、ドリーニ語の方が罵倒の言葉が豊富だと言うティラナのゼラーダに対する口汚い罵倒からはドリーニ語になった。ドリーニ語と言うけど、形式上は英語で我々が聞いてるのは日本語。何だか微妙。
ゼラーダの目的はセマーニとドリーニの間で憎しみを生む事。それは何故かと言えばこれ以上セマーニにドリーニの退廃した文化が流れ込まない様に隔絶するのが最終的な目的なのだ。ああ、退廃した西側文化を拒絶した東側共産主義国家みたいな意識ですか?とは言っても音楽の存在そのものを否定するのでもっと極端だけど。社会主義リアリズムの時は「形式においては民族的、内容においては社会主義的」な音楽は称揚された一方で西側的な音楽は排除されたから。
この時点ではゼラーダはティラナに対しては未だ目を覚まして自分の主張に従えと言う雰囲気だった。
一方でケイの方。ケイはFBIのチャンによって拘束されて訊問と言うか、パスワードを吐くように拷問されていた。チャンがゼラーダと組んでいるのはちょっとばかし良い暮らし(本人談)をしたいから。ケイから見たらゼラーダにそんな甘い事が通じる筈はないが、チャンは聞く耳を持たない。そしてランドルーが撮った写真がケイのスマホの中にあると知って、スマホのパスワードを聞きだそうとしていた。どうもマーラ・モゼリーメからの命令で動いているのとは違うみたいだ。そこで、マーラ・モゼリーメ有利の市長選の情勢では、この写真を自分だけで握っていれば今後都合が良いと言うのだ。
パスワードさえ吐けば自由にしてやる、金も少しはくれてやるとチャンが言うので、それじゃあ教えてやるとケイが言い出したのを入れると「FUC…」。ふざけるなとチャンはケイを蹴飛ばす。こんな取引が成立する訳がねえだろうと言うケイ。なおもチャンはケイを殴る蹴るするものの、その隙をついてケイが自由だった足でチャンを組み伏せて落とした。
銃と手錠の鍵を奪って、自由になったケイがゼラーダとの居る場所へ迫る。ビル内にはゼラーダに操られている死人がうようよしているが、それをケイが悉く潰す。この様子を知ってゼラーダは嘆く。嘆くけど余裕。しばし逡巡した挙げ句に決めたのは先にティラナを殺してその様子を見たケイが絶望する方だった。
ところがそれよりも先にケイが到着。とは言ってもまたもあの幻術でケイがゼラーダを撃っても当たらない。そして姿をくらました。ケイはティラナの方に駆け寄ってスプリンクラーを動かすから二人でと言うものの、ティラナは足が動かない状態。
ステレオを動かして(そもそもこの部屋は誰のだ。ゼラーダの部屋だったらこんなもの置くまい)ゼラーダを攪乱させてスプリンクラー作動。だがこれを予期したゼラーダがケイの方に攻撃しようとしたところでティラナが銃でゼラーダを撃つ。ゼラーダ、完全に意識がケイ=銃、ティラナ=剣になっていたのでこれは不意打ち。そしてティラナと入れ替わって剣を持ったケイがゼラーダの首を刎ね飛ばす。どんなに優れた剣でも素人にそんな事出来ないのでティラナもケイの働きには驚いたろう。
ゼラーダを片付けてケイはティラナにこの写真はどうするかと尋ねる。これを公開したらマーラ・モゼリーメは市長選を継続出来なくなり、あのセマーニ人はセマーニに帰れと言うトゥルテが当選するだろう。セマーニ人の事を考えるとこれを葬り去ってマーラ・モゼリーメが当選した方がマシだが、それはそれで正義に反するとティラナは公開の方を選んだ。それもそうだし、これが葬られたらランドルーも浮かばれない。
ケイと組んでティラナも地球人のあり方を学習した。トゥルテが当選してもこの街には…いい人も沢山いるから(おまえが居る街だから)。最初は正義には正義しかないと言う主張だったのが、今は倒すべき悪と許すべき悪があると少しわかった。
ティラナの市警での仕事は続く。そしてそのティラナを見かけたある巡査、それはカーンズがセマーニ人に撃たれたと言うニュースが流れた時に「チッ、宇宙人が」と呟いてケイにつっかかれたサンダース巡査が改めて謝罪をして来る。
ケイがふざけて三回回ってワンと言えば許してやれと言うと、ティラナはそれを真に受けて巡査がそれをやって二人は和解。セマーニと地球人との関係は今後も進むだろう。
コップクラフト、まあまあだったかな。言われていた「海外ドラマの刑事物を見る目で」と言うのは、個人的にはそこまでは及ばなかったかもしれないが、悪い訳でもない。私が海外ドラマ(米国物)に求めるのはもっと米国らしいコメディなんだけど。