手品先輩・第5話
今日は奇術部に見学者が来ます。
え?こんな部に?ってのを先輩が言っちゃだめ。
だから先輩は手品禁止。どこかに隠れて居てとか、完全否定をする助手。と言うのも、クラスでは助手は堅物と言う事になっている、と自分では思っているので先輩と同列に見られたくない。
助手にダメと言われたけど、やる気満々の手品先輩を見て何とか押しとどめようとしているところに見学者来訪。ちょうど首が取れてしまった様に見えたので、クラスの子は怖がって逃げてしまった。このままではますます悪い噂が。
以前公園で子供達の前での早着替えに失敗した先輩だが、先輩の衣装は全部お姉ちゃん先生が作っているのだそうだ。聞いてみると衣装と言うよりはコスプレみたいだけど。そのお姉ちゃん先生が今回新しい衣装を作成。早速助手の前で披露。
ロープをひっぱるだけで衣装が替わっていく。と言うか、剥けて行く。露出が多いと言う先輩だが、コスプレでは最近規制の影響で肌を露出しない肌に見える衣装だから大丈夫と言われてちょっと安心する先輩。
さらにロープを引っ張ると水着っぽい姿に。肌が出ていないと言ってもガン見する助手。さらに引っ張ると、完全に露出してしまうが、でもこれは肌ではありません。
化学先輩の斑さんは助手を化学部に在籍させて奇術部に行かせてくれる親切な先輩。少しは化学部の方にも顔を出す助手だが、二人だけで気まずい時間が流れる。って、これじゃ化学部だって奇術部同様に人数が足りなくて部として成り立たないじゃないか。
助手が化学って手品に似てますよねとふったら、斑が猛反論。化学はちゃんと説明出来る仕組みで現象を見せているのだと。
その証拠にそのジュースを寄こせと言う。ジュースのボトルを重心をうまくとれれば、こうやってボトルは立つのだと。そんなにうまく行くものなのか。さらにはこの飲みかけのジュースだがと、助手がひょっとして間接キスで飲むのかと思ったら情け容赦なく捨てて、代わりに沸騰したお湯を入れて素早く蓋をする。
少し経つと水蒸気が液体に戻って内圧が減ってぐしゃっと潰れるのだ。見た目は手品みたい。ぐしゃで思い出したけど、登山してそんな高山でなくても山頂付近で蓋を開けて飲んだペットボトル、中を残して下山後に飲もうなんてとっておくと、下山時にペットボトルが少しへこんでいるのが分かる。やっぱり低山でも山頂は気圧が低いんだ。
今日は助手が来る前に箱に隠れて、助手がやって来たら颯爽と箱から出てそのまま手品に流れようと隠れていた先輩。
しかし、道具を机や椅子に散らかしていたので助手は箱の方に腰掛けてしまい、先輩は出られなくなってしまった。
助手を外に誘き出そうとしてスマホでメッセージを送ろうとしたら、スマホを落としてしまい、手品の種まで全部飛び出させてしまった。
出るに出られない状態の時、助手が独り言を言い出す。先輩の愚痴。うるさい、しつこ、アホ、手品できないと。まあ間違いではないが。その一方で助手はあのベヒモスくんはふかふかして可愛い、好きだと言うのを先輩がてっきり助手が自分の事を可愛くて好きだと言ったのかと思ってドキドキ。なんとか飛び出した時に否定しようとしたら既に助手は居ない。
ドキっとする先輩かわいい。可愛いのは本当だよ。
そして今日は先輩が助手を家に招く。あの先輩とは言え、女の子の部屋に招かれるとあってちょっと期待した助手だったが、先輩の部屋は手品の種でごちゃっとしていた。
クッキーを出そうとしたものの、わざわざ手製クッキーを出すのは問題だと、置く寸前に自分が全部食べてクッキーを消す手品。
大量のハンカチを消す手品をやろうとしたものの、感触がおかしいとひろげてみたら、ぱんつでした。助手が広げてみたのは帽子からハトが出て来る手品柄のぱんつで、先輩に言わせればステージ用下着だとか。
色々あったものの、助手が自分を好きと言った事について話を始めたら、それは助手がベヒモスくんを好きだと言ったのだと判明。
恥ずかしがる先輩もかわいい。