盾の勇者の成り上がり・第4話
波を撃退した祝賀会。国王主催であの三勇者達は当然出席して歓待されているのだろうと思ったが、まさか尚文まで出席していたとは。ここに出席しないと話がこのあと進まないとは言え、どうして来たんだろう。このあとラフタリアがケーキを持って来てくれても要らないって言うから飲食目当てでもないだろうし。そもそも味覚を失っていたから。ひょっとして自分はどうでもいいが、ラフタリアには美味しい物を食べさせたいとかそんな事を考えたのか。或いは報奨金を受け取りに来たのか(こればかりは受け取らないとこの先の生活に支障も出るし)。
しかしそのせいでとんでもない話に巻き込まれる。例のブリドカット・セーラ・恵美さんのキャラが槍の勇者元康に何か耳元で囁いたと思ったら、なんだかくっと口を噛みしめていきなり尚文に決闘を申し込む。
理由はラフタリアが亜人の奴隷であり、勇者たるものが奴隷を使役して戦うのはけしからん(これはそもそもこの国にそんな制度があるのだからあまり理由にならない)、奴隷を良い事に無理矢理戦わせているのがけしからん、と言うものだった。
そんな事知るかと出て行こうとした尚文だったが、衛兵がそれを阻止する。そして王がのこのこと出しゃばってその決闘の立会人になろうと言うのだ。それはつまり決闘やれと言う事。しかもラフタリアは呪いをかけられて無理矢理隷属されているから元康が勝ったら契約を解除して解放すると言う。勿論ラフタリアは無理矢理なんて事は無いと言うものの、口を封じられる。口封じした段階でもう正義ないだろ。
こうして無理矢理決闘をさせられる尚文。最強の矛と最強の盾が戦ったらどうなるか。それは盾と矛を売る楚人に聞いてくれw
初撃は盾が槍を防ぐ。それはつまりその槍の方が弱い訳で、もうお前の負けだと元康に言う尚文。ただ、盾は強くてもそれをちゃんと槍の軌道上に乗せないとね。だから元康は攻撃をどんどん仕掛けるものの尚文がそれを防御。その上で例のバルーンを元康にけしかける。ひょっとしたら盾で防いで拳で「おまえのその幻想をぶちこわす」みたいな事になるのかなと思ったんだが。
観客(貴族らしい)はこの尚文の戦い方に眉をひそめる。モンスターなど使ってと。しかしそんなものをお構いなしに尚文は元康をバルーンごと封じ込めた。いいかげんに降参しろ、そうでないと今度はご自慢の顔と股間にこのバルーンをお見舞いしてやると言って優位に立ったところでマインが横から魔法で攻撃をかけて尚文の態勢を崩し、その隙を狙って元康が攻撃をかけて尚文が倒された。
王が元康の勝利宣言をしようとしたが、まだなお尚文は立ち上がった。そしてそこにいるマインが横から攻撃をかけて来たからこの決闘は無効だと言うが、王はそれを無視。そして観客もそれを無視。もう盾の勇者は殺してしまえとも。ここで先の波との戦いで尚文の戦いぶりを見ていた騎士団から異論が上がるのかと思ったがそれはなかった。あとから説明されるが、観客席からはマインの魔法が全然分からなかったらしい。そこはもうちょっとマインがこそっと使う絵にすべきだったな。露骨だったのに。
こうしてラフタリアは尚文から引き離され、契約の刻印は消され、またお一人で戦いなさいと言われてとうとう尚文が闇落ち。その場面で何か不吉な表示があった。
何だ、カースシリーズの条件が解放されたってのは。
何かの呪い?
ところが契約を解除され、口を封じされていたのを外されたラフタリアが解放されるどころか、自ら尚文の所へかけよって大丈夫かと声をかける。最初はお前も俺を裏切ったのだ、この世界の誰もが俺を裏切ると闇落ちしていた尚文だが、ラフタリアがこの世のみんなが尚文を信じなくとも自分だけは信じる。自分はずっと尚文様の剣なのだと言うと、やっと尚文もラフタリアの言葉に耳を貸す。そう言えばラフタリアはずっとそう言っていたと。
剣の勇者の錬、弓の勇者の樹も、そもそもはわざと尚文を陥れる気ではなかったので、あの戦いはおかしいと元康に異を唱える。元康は単にバカだった様で、マインが何かしたのに気づいていなかった。そしてそのマインは何と王の娘で元康を取り立てて婿にするつもりだった。だからあんなに不正してまで肩入れしてたんだな。しかし今回法皇が来ていたみたいで、この茶番をどう見られただろう。単なる飾りだろうか。
やっと誤解がとけて、そしてこの世界に唯一とも言えるラフタリアが居る事を確信する尚文。ラフタリアの手作りのパンを食べると味がする。味覚が戻ったのだ。そしてラフタリアがまた成長を。