色づく世界の明日から・第10話
将の一件以来気まずい雰囲気の瞳美とあさぎ。瞳美が琥珀のおっはよーと言う元気な声とともに教室に入ってもあさぎは目を逸らしてしまう。部活でもあさぎは今日は自分は撮影に行って来ると言うので、瞳美がじゃあ私もと声をかけるのにそれをふりきって行ってしまった。あの二人、なにがあったんだと言う将に琥珀と胡桃がこいつはーとw
瞳美はあさぎを追いかけた。そしてこのままじゃダメなんだと思って声をかけていると言う。だってあさぎはこの世界に来て始めて友達になれた相手なのだからと。おとなしそうな子なんだけど瞳美ってちゃんと前に進もうとする。それにあさぎも応える。追いかけて来てくれてありがとうと。
こうして二人で甘い物を食べながら話をした。あさぎが小さい頃から将と一緒で、そのうちに好きになったけど、将には気づいてもらえない。まあ鈍感ズだから。そこに瞳美が現れて将の気持ちがそちらに向いたのが分かったが、何も出来なかった。何もして来なかったこんな自分が瞳美に嫉妬する資格なんて無い。全部吐露してすっきりしたあさぎ。これでどうにか二人の関係は修復出来たらしい。思い切り発散する為に二人に加えて琥珀と胡桃も呼んでカラオケに。
さて、文化祭の出し物。写真部は着々と写真を揃えていたが、魔法部も何かしなくちゃと考えた琥珀は魔法インベントもやりたいと提案。その提案内容は絵の中に入ってみる体験イベント。それは面白そう。絵はどうするかと言うと、やはり唯一の絵描きの唯翔に白羽の矢が立つ。
琥珀によるとこのイベントは瞳美の話がきっかけで思いついたと言う。唯翔の中に入ったって事かな。だからやるのは瞳美。絵の中に入る魔法は琥珀もやった事がない。描いた人の気持ちに触れないといけない。そう言う意味ではこれまで唯翔の絵に関わって来た瞳美の方が適任だろう。
そんな訳で、家で練習開始。魔法をかけて紙飛行機を絵の中に入れて、三分経ったら出る様にすると言う。ここで心配になった。入ったは良いが出てこられないとかそう言う事件が起きるのだろうか。
ともかく、失敗を重ねながら何度も何度も練習した瞳美。とうとう成功した。
愈々魔法写真美術部のみんなで実験。やはり将も戻って来られるのかを心配したが、琥珀が太鼓判を押す。もう大丈夫。象を入れたって大丈夫と。そうして瞳美と琥珀の二人の導きで部のみんなは唯翔の描いた絵の世界へ。唯翔の絵は細部まで色々描き込まれていたので中に入ったら本当にそんなファンタジーな世界がるかの様に楽しめる。ウサギの国も海賊船も。でもこれって景色は色がついてるけど、そこに入ったみんなは瞳美には白黒に見えているって事かな、やっぱり。
瞳美と唯翔が森の中を歩いていたらあの金色の魚が出現。二人は顔を合わせてその魚の後を追ったら何か暗い空間へ。それはやばいんじゃないかなと思ったら、唯翔は瞳美を見失った。見渡してみたら石になった様な瞳美が椅子に腰掛けていて、その隣に扉がある。扉を開けて中に入る唯翔。随分後先考えないな。瞳美の魔法はちゃんととけると信じているのか。すると中では小さい瞳美がお絵かきをしていた。沢山絵が描かれていたがそのどれもが二人が並んでいてその間に大きな黒い断絶がある。唯翔には女王様と王女様に見えた。二人は会うことが出来ない断絶があるが、唯翔が船や鳥や虹の橋で間をつなごうとしてもロリ瞳美は要らないと言う。やがてロリ瞳美が紙を渡してくれたのでそこに唯翔が描こうとしたところで時間切れ。
部室を出て二人で話をしたら、瞳美が過去の話をしてくれた。母はこの魔法使いの家系で始めて魔法が使えない女性として生まれた。でもその子供の瞳美はまた魔法が使える様になった。瞳美は無邪気に魔法を母に見せたが、それが母の心の重しになったと思う。ある日母は自分を置いて出て行ってしまった。また母が勝手に出て行くパターンか。それ以来だ。瞳美が「魔法なんてだいっきらい」と思う様になったのは。だから魔法が上手に使えなくなった。
しかし子供の瞳美がその責任を負うのは間違っていると唯翔は言う。それは確かにそうだろう。でも瞳美はそれで納得は出来ない。そんな事を言うのはやめてと。何故あの時に母を追いかけなかったのか。何故一言言えなかったのか。
でも唯翔に全部言ったおかげで瞳美の気持ちはそれなりに整理がつく。そして自分がここに来た意味とはと改めて考える。