舞台探訪・ヤマノススメサードシーズン・第3話の飯能アルプス
第3話の「飯能にアルプス!?」が放送された時に行けるものならすぐに行きたかったのですが、ご存知のとおり今年の7月は激しい猛暑で放送された頃は連日の猛暑日の期間でした。特に7月23日に至っては東京でも39℃に届いた日です。飯能アルプスは長い距離のアップダウンを低山で歩かねばならず、到底私の体力や身体の作りでは不可能と考えて暑さが落ち着くまで待つ事にしました。しかしながらその間にもパワーのある方々は猛暑の中を飯能アルプスに既に何人も挑んでいます。
一昨日の9月22日からヤマノススメスタンプラリーが始まって、スタンプ台設置場所がこのサードシーズンに登場した東吾野駅と西吾野駅と知ったので、暑さも落ち着いたしこの二駅を結ぶ飯能アルプス山行をしようと昨日行って来ました。
先述のとおりに既に先人によってカットは全て網羅されていますので、作中の話に沿いながら解説付きで辿って行きます。網羅性は目指していません。
先ずは始まりの東吾野駅。
演出上の絵作りと言う意味の方が大きいでしょうが、この位置は西武秩父方面の端の方です。あおいちゃんは先頭の方の車両に乗ったと言う事になります。一方東吾野駅は出口は一番後ろになります。だから後ろで乗ってここ迄歩くと言う筈は無いのです。
駅前の自販機で飲み物を買うあおいちゃん。
原作(五十合目)ではここではなく駅側の自販機で買います。原作ではペットボトルを2本買ってザックがずっしりと重くなります。アニメではザックの重さを全く表現しませんでした。これは実はこの話に矛盾を生む事になります。
駅に向かって天覚山は左。一方右はユガテや顔振峠です。
ユガテは携帯の電波も入らない隠れ里みたいな集落です。そう遠くないしそんなに登りません。
ご覧の通りに本当は架線がごちゃごちゃ入るカットですが、作画上では邪魔なので省略してあります。
天覚山の登山口の方向を確認して「よし!」と言うあおいちゃん。
この場面の「よし!」好きですw
天覚山へ登るには道標の通りに普通は右に行きます。
しかし今回は左にちょっと寄りましょう。
と言うのもここなちゃんが見つけたこの「へびいるよ」があるからです。
さっきの分かれ道をちょっと左に行くとこれがあります。
ここなちゃん、あの道標を無視してこっちの道に来たのか。
程なくして沢筋コースと尾根コースの分岐点。
さっきの「よし!」の場所からなら10分もかかりません。非常に緩やかな登りです。
この時点ではあおいちゃんは全然元気。
(あおいちゃんの使った)地図では尾根コースが破線になっていると言う事で難易度が高そうだからと沢筋コースを選びます。しかし実際のところここはあまり違いがありません。
ここなちゃんは右の尾根コースを来たそうです。
分岐点から僅か2分程でむーま君のベンチがあります。探訪の時は分岐点からちょっとだけ尾根コースに入ってベンチを撮ったら沢筋コースに戻ると良いでしょう。
「この山全てが私のものー」とソロ登山を満喫するあおいちゃん。
「岳人の歌」とか歌ったりして。
ところが長尾坂配水場に着く頃には息切れ。
アニメではこの場面の前に大きな石を越えたり、読めない道標があってこの道でいいのかなーとか言いますが、実際には長尾坂配水場の後からそれらは逆順に登場します。
そしてここがおかしいのですが、ここまでは未だ未だ緩い登山道なのです。高山病で途中撤退したあおいちゃんですが、あれは高山病だったからで、体力的に撤退した訳ではありません。そんなあおいちゃんがこの程度でヒィヒィ言う筈が無いのです。
原作ではこの時点では未だなんともありません。そして実はあおいちゃんがヒィヒィ言ったのはザックにトレーニングの為と称してカセットコンロ(2Kg以上)を入れたからです。しかしアニメではそう言うのを一切表現していません(ザックが重いと言葉で軽く言ってるだけ)。だから現地に行くと「何故あおいちゃんはこんな場所でバテたんだ」と疑問に感じる筈です。
長尾坂配水場より先が本格的な登りです。ここから30分程の本格的な登りとなります。
登山装備必須。
天覚山到着。
バテバテのあおいちゃん。もう帰ろうかと思っていたところにここなちゃんがやって来ました。もう帰ろうかと思っていたあおいちゃん、気を取り直して大高山まで一緒に行く事にします。
原作では重すぎるあおいちゃんの荷物をここなちゃんがウェストバッグ一つで来たので分担してくれる事になります。今迄ソロ登山万歳と思っていたあおいちゃんが「一人だと無理でも二人ならできることもある」と思う瞬間ですが、アニメではそこが描かれていません。
天覚山から大高山迄もかなり長い。2km以上あります。一時間半近くの山行となります。
途中にこれと言う物は何一つ無く、アップダウンが繰り返されます。
天覚山から凡そ1時間。大岩のポイントに到着。
これはわざとこう言う風に設置されている訳ではないのです。二年ほど前まではちゃんと鉄棒に取り付いて自立していました。ですからいつどうなるか分かりません。
大岩から凡そ30分で大高山へ。
この間にも結構な急坂があります。
にこやかに二人でバクダンおにぎりを食べていますが、この根っこはそんなに座り心地の良いものではありません。大高山でお弁当を食べるには何か下に敷くクッションを持って行った方が良いです。
大高山を出発した次は子ノ権現・・・
巨大ハイヒールは下の降ろされていました。
これ、あの上に乗っかるのかな。
スカイツリー眺望処。ここは子ノ権現の奥にあります。
昨日は天候はおもわしくなかったものの、肉眼では何となくスカイツリーが見えました。
「飯能アルプス、なかなか手ごわい相手でした」
いやいやいやw、作中では飯能アルプスの今回のコース中半分も描かれませんがな。大高山迄と同じだけの距離をさらに歩かないと子ノ権現には行けません。それまでに相当体力が削られているのでとてもしんどくなります。「なかなか」なんてもんじゃないです。
原作でもアニメでも全く描かれませんでしたが、飯能アルプスは低山特有の道迷いをしやすいコースです。事前学習の上、慎重に道を選ばないと非常に高い確率で道を間違えます。低山での滑落事故の多くが道迷いをきっかけにして起きるので、探訪登山には十分な計画と体力が必要です。
さて、私はめでたく東吾野駅と西吾野駅のスタンプを押す事が出来ました。
今回のヤマレコの山行記録
原作の時の舞台探訪記事(3年前)
https://teo.cocolog-nifty.com/column/2015/10/post-ab5f.html
https://teo.cocolog-nifty.com/column/2015/11/post-3cc9.html