ピアノの森(TVシリーズ) ・第11話
一次予選、修平の演奏が始まる。僕は逃げない、そう決意を固めていた修平だが、海への意識が強い。演奏は大丈夫なんだろうかと思ったが、一曲目は一音も外さずに弾き終える。海も修平の演奏に感心していたのでこれは大丈夫かなと思ったら、修平が何だか鍵盤を吹いて気にしていた。これに最初に気づいたのは海だった。
修平の母が何故あんなに手を拭ったりするのかと気にする。父はあまり気にしていない様子だったが。
二曲目も無事弾き終える。そして三曲目、これも無事に弾き終えて聴衆の拍手に見送られてステージを降りた。
だが、おかしいのはその後だった。マスコミのインタビューでしきりに鍵盤を拭いていたと言われ、修平は一体何を言っているのだと思う。それは両親やファンからも言われる。しかし修平自身は全く意識していなかったのだ。そして修平は手を洗っていた化粧室で倒れてしまう。
倒れた修平をアダムスキがコンテスタントの控室に連れて行って寝かせる。やがて気がついた修平にアダムスキは緊張したのだろうと言うが、修平は自覚が無い。
アダムスキは自分がポーランドの貧しい家の出身であり、嘗てピアノの先生を傷つけてしまったと言う身の上話まで聞かせて修平に焦るな、君は若いからこれが最後じゃないんだ(でもアダムスキはこれが最後らしい)と言うのだが、修平には届かなかった。これはまずいな、根が深いぞ。一方アダムスキ、滅茶苦茶イイヤツじゃないか。
海が公園でワルシャワの空気を堪能していたら、君もピアニストなのかと声をかけて来た若者が居た。実は彼はポーランド出身のピアニストのレフ・シマノフスキで、同じくショパンコンクールに出るのだが、本当は初日の予定だったのを具合を悪くして最終日に変えて貰ったのだと言う。彼も丸山誉子の様にステージであがるタイプかな。
そして一次予選最終日。審査員もいいかげん飽き飽きして来た所だが、最終日にはセローがお忍びで、そして自分以外の演奏に興味が無い筈の龐威も来ていた。光生の先生などそれを見てこれは何かあるぞと興奮する。
一番目はあのシマノフスキ。やっぱりあがっている。これは駄目かもしれないと思われたが、どうしてどうして。素晴らしい演奏で審査員はポーランドの新星現ると驚いた。