ゴールデンカムイ・第9話
オソマに行ったアシリパだが、そこである物を発見した。てっきり和人の厠に慣れていないのかなと思ったが、そうではなくてそこには辺見が殺したヤン衆が放り込まれていたのだ。時間が無かったから取り敢えずあそこに入れたのか。
驚いたアシリパが杉元に知らせようと戻ってみたが、そこには既に杉元もそして辺見の姿もない。辺見はアシリパが厠に行ったのを後から気が付いてこのままではまずいと杉元を見せたい物があると連れ出したのだ。だがそうは言っても例によって鰊漁に関する道具の説明程度しか思いつかず、100年以上も後の我々が示されるならまだしも杉元にとっては興味はあまりなくて、やはりもう白石の所へ戻ろうとしたその時、番屋の近くに第7師団の兵士が集まって来ていたのを発見する。
彼らに見つかるとまずいと言う杉元の様子をすぐに理解して辺見は親方、つまり網元の屋敷=鰊御殿へ杉元を連れて行くのだ。
ところが実はそこには鶴見中尉が来ていた。親方に我々に出資して欲しいと言う話に来ていたのだ。ここで鶴見中尉のピアノの腕が披露されるが、それにしても鰊漁で大もうけして金がうなっているとして、ピアノを買うかね。娘とかがその趣味だったのかもしれない。そして親方その人の趣味が武器で、買い付けたガトリング銃を鶴見中尉に見せる。本当の兵隊に見せても仕方ないんじゃないのか。但しそう言う親方だからこそ鶴見中尉は出資の打診をしたのだろう。
その屋敷に辺見の手引きで上げられたものの、鶴見中尉が来ていたのだから屋敷の中にも第7師団の兵士は居た。それを見て杉元は慌てて引っ込んだが見られてしまう。今のは杉元じゃないかと迫る兵士二人。辺見がそうじゃないと押しとどめようとするがそれを無視するので辺見が実力行使に出た。一人を刺し殺し、もう一人も刺したところで逆に撃たれた。当然銃声がする訳で、杉元がどうしたと驚くし、鶴見中尉も異変に気が付く。
辺見を背負って逃げる杉元に親方が例のガトリング銃を発砲。金があると屋敷が穴だらけになろうと試し撃ちの方がずっと楽しいのだろう。でも殺すなと鶴見中尉に止められた。
杉元は辺見を担いで海岸の白石達の方へ。なんだこの恋人達の様な走り方はw
だが白石は知っているのだ。杉元が連れている男が辺見である事を。呼ばれて杉元の方を見た白石が知らせる、杉元、後ろだと。杉元に斬りかかった辺見だが、杉元はそれを避けて逆に辺見を刺す。これこそが辺見が求めていた死に方だ。最後まで抗う辺見だが、ここで飛んでもない大事件が発生。鯱が辺見を奪ってしまったよ。そんな事あるのか。
ともかく辺見を求めて杉元達は海へ漕ぎ出す。鶴見中尉達も後を追う。アシリパが銛を鯱に打ち込み、それに引っ張られる形で杉元達の乗った船は加速した。到底追いつけないと理解した鶴見中尉は追跡を断念。
だが、鯱は辺見の身体を放り上げたりして弄ぶ。こうなったら海に飛び込んで辺見を回収するしかないと杉元は真っ裸になって飛び込み、何とか辺見を引き上げ、そこに襲いかかって来た鯱はアシリパが倒した。
鯱は引き揚げられ、そして辺見の人皮は沖合で杉元によって剥がれる。まあ辺見的には本望だったろう。
海岸ではこんな事が起きていた頃、コタンでは違う事件が発生する。谷垣がもう動ける様になってコタンに戻って来たらそこには尾形上等兵と二階堂浩平一等卒が居たのだ。谷垣は一等卒であり尾形は上官。こんな所で何をしているのかと尋ねられて脚を負傷したのをこのコタンで助けられて丁度治ったところだが、恩返しの為にまだ部隊には戻っていないかったと弁解する。まあ30%程度は本当の話だが。
しかし尾形はそうは理解しなかった。谷垣は上官の玉井伍長他を殺して逃げているのではないかと言う。そこは強く否定した谷垣。お互い相手の境遇を若干勘違いしたままで、谷垣は婆さん達を人質にとられた格好だったが、尾形に懇願してこの人達を巻き込むなと言う。尾形は谷垣の言葉の中に嘘があるのを知りながらそこを離れるが、遠くから谷垣を撃ち殺そうとした。それはたまたまオソマが抱きついた事で逸れて、それ以降は尾形を警戒する谷垣。だが歩兵銃は銃鉄を奪われて使えない。そこのオソマが二瓶が残した猟銃を持って来てくれたのだ。残っている弾は一発。まさに二瓶が残した言葉どおりに一発で相手を仕留めなくてはならない。一方尾形の方は谷垣の銃は使えないと思っていた。
コタンでこんな事が起きているとは知らず、杉元達は未だ浜の近く。アシリパがいい加減眠くなって居た頃にあるじいさんがやって来た。げ、声で分かる、土方じゃないか。白石はぎょっとして目を背けるが、杉元はまっすぐ土方を見る。土方はアシリパの戸籍上の名前を知りたがったが、杉元には分からない。ただ、土方は目をつけたかもしれないね。