ダーリン・イン・ザ・フランキス・第18話
いたした翌朝、ココロはもう服を着て先に起きていた。外で咲く桜の花を眺める。昨晩の事をこの桜に重ね合わせていたのだろうか。
しかしイチゴ達はハチからこの桜咲くミストルティンを放棄すると告げられる。確かにもう食糧の蓄えは残り少なくなっていた。ヒロやゴローと歩きながら見える景色の中にある川の流れも乏しくなっている。これでは水の確保も出来なくなるだろう。
イチゴは何とかして此処に残れないかと思うが、それは出来ない。名残惜しいが。
ゴローの体調にも不調が起きていたが、ゼロツーにも異変が起きていた。意識の中に湧き上がる今迄吸い取ってきたステイメン達。そして最後にはあの巨大な手。一度出て、その後はまるで無かったかの様にされていたのに、やはり引きずるのか、あの手は。そしてゼロツーの角はまた伸びている。
ヒロの提案でミツルとココロの結婚式を挙げようと言う事になる。あの絵本にあった様に。このミストルティンを去るにあたって記念にしようと言うのだ。
予告で今回ミツルとココロの結婚式があると知って、これはてっきり二人がいたしてしまいましたと言うのが皆にバレての挙式なのかと思ったのだが、こう言う流れだったのか。未だヒロ達には発覚していない。
そりゃいいぜと喜ぶゾロメだったが、ふとフトシの方を見る。泣きそうな顔でフトシは僕はこの役を絶対やると言うので、今になって往生際悪く新郎になりたいのだろうかと一瞬思ったものの、二人を介添すると言うので、それで神父役だと分かる。
こうして結婚式の準備が進む。花嫁のドレスはレースのカーテン。よくこんな事を思いついたわねと言うが、此の子達は我々の様に物語を色々読んだ経験が無いからね。
館の外装も塗り替える。そんな時にイクノが部屋で横になっているので、イチゴが体調が悪いのかと尋ねると、そんな事じゃないとイチゴを押し倒す。イクノ、実はイチゴの事が好きだったのだ。だがその気持を表に出せなかった。それどころか男ならピスティルのパートナーとなれるのに、女同士だとそれすらも出来ない。その気持に鬱積がずっと続いていた。実はツイッターでイクノがずっとイチゴを見てるとか言われていたけど、そう言う目で見るのはどうなんだと思っていた私の目の方が見る目が無かった。
そう言うイクノに対してイチゴは優しく抱いてあげる。イチゴにとってはヒロとゼロツーがくっついて自分がどうにも出来ない思いを抱いていた経験がある。だからイクノにも同じだ、自分だって面倒くさい人間なんだ、でもその積み重ねが生きているって証なのだろうと言う。
結婚式の準備は完了する。そわそわするミツルの前にウェディングドレス姿のココロが現われると目を合わす事すら出来ないミツル。そんな二人に花束と花飾りを渡すイクノ。
こうして式が始まり、ベルと花びらに迎えられて新郎新婦の入場。あのミツル手製の針金の指輪を交換。少し小さくココロの指に入る時にひっかかって痛そうにしたが大丈夫。そして誓いのキス。
その時にナインズと兵士が乱入する。ゼロツーが抵抗するもナインズの多勢に組みひしがれヒロ達は銃で制圧された。パパ達にはお見通しだったのだ。禁忌を犯したミツルとココロは再教育の為に連行されて行く。ハチはそれを見ているしかなかった。同じ頃ナナは独房の中。
ミツルとココロはどうなったのかそれを知らされぬままヒロ達はミストルティンを離れなくてはならない。ガーデンと同じ様な管理下に置かれた第13都市部隊の皆。他のパラサイトも居たが、少しづつ呼び出されて帰って来ない様だ。
賢人会議では議長と副議長による叫竜の姫の暗殺未遂/降伏勧告を他の議員が聞いていないと責めるが、議長は相変わらず問題ない計画は進行中だと言う。その計画とは肉体と言う殻から抜け出す計画と言う。
ヒロ達の前に戻って来たミツルとココロ。良かった無事だったんだと皆は喜ぶが二人は結婚式の事を覚えていない。それどころかヒロ達の事は覚えているのに、ミツルはココロをココロはミツルを覚えていない。記憶操作をされたのだ。
だが窓の外で咲く桜の花を見たココロ、自分の指にある「指輪」とともにいつか思い出す瞬間が訪れるかもしれない。