宇宙よりも遠い場所・第9話
縄跳びをしている。そう言えば前回ポスターでチラと見えた優勝チームにはステーキと言うのがあったが、これか。そして四人は最下位でステーキどころか魚肉ソーセージだったのだ。これって普通の食事にプラスアルファがステーキか魚肉ソーセージなのではなくて、いつもの食事のおかずがこうなっちゃったのかな。
その中でひとり報瀬だけが見事な縄跳びをこなしていた。やはり南極に行くぞーと言うので鍛えたのだろうか。見かけは良いのに大抵の事は残念な報瀬が意外だと三人が言っていた所へ財前がやって来て、報瀬に向かって「好きなんです」と言う。えええ?!w
鮫島も交えて話を聞いてみたら財前が好きだと言うのは藤堂の事で、でも隊長に直接アタックするのは恐れ多くて藤堂隊長と報瀬の母の貴子が仲が良かったから藤堂の趣味などを聞きたい、そう言う意味を全て含めた好きなんですだった。いや、いきなりあんな切り出し方するかよ。
そんな財前を抑えながら話を聞くのが鮫島。だがマリ達は気が付いた。これはネタとして使える。最近閲覧数が落ちている南極レポートのテコ入れになると。では誰が藤堂にレポートするのか。そりゃ藤堂との知り合いの報瀬しか居ないじゃないかと三人は報瀬を指名する。でも報瀬は親が知り合いだっただけでほとんど話した事がないと言って嫌がるのだ。この場面、歌舞伎町で報瀬が男性隊員を誘惑するんだと言い出した癖に見た目が一番の適任者なのに嫌がった場面と同じだな。
結局は報瀬を除いた三人で藤堂のプライベートのレポに行く。
藤堂が好きなのは雲みたいな人?
因みに私が好きなのは巻雲ですね。巻雲は良いよ。見ていて飽きない(聞いてない
同じ頃、実は藤堂も前川に聞かれて報瀬とはあまり話をしないと答えていた。そして同じ様に出港時に甲板で親しげに話していたではないかと突っ込まれていた。
二人はそんなに話した事は確かになかった。藤堂が貴子の所へ遊びに来て、貴子が買い物があるからとか言って藤堂と報瀬の二人だけを残して出かけた時にも何かを話す事もなかった。ただ二人でテレビを見て南極のペンギンを見てペンギンだーと同じ事を言う位。
そしてさらには藤堂が隊長で貴子を南極に置き去りにせざるをえない事態となった事で、母が帰って来なくなった事から報瀬は自分の事を許していないだろうと思い、なおさら話せない。
船が進んでやがて氷山が沢山船を囲む様になり、その上にはペンギンの姿も見える様になった。それを見て報瀬と藤堂がまたハモるのだ。ペンギンだーと。
この機会に藤堂が報瀬に聞く。はっきり言って貴子を置いて来た自分を憎んでいるのではないかと。でも報瀬の答えは違う。憎んでない。だって落ち度は無かったんでしょ、と。でもそれが本心から出ているのか。表面上はそう言わざるを得ないのではないのか。そう言われても報瀬はそう思うしかないのだ。南極に出かけて帰って来ないままの母をずっと待ち続けているかの様な生活。それは宇宙よりも遠い場所の南極に迎えに来る事でしか変わらない。
その時、船体に大きな衝撃が走る。とうとう南極の定着氷にぶつかった。ここから砕氷船は船体の重みを使って氷を砕いて進む。行きつ戻りつ。日本が昭和基地を建設するにあたって、第二次世界大戦後のルール作りの時に敗戦国が南極観測かと昭和基地は到達が難しい場所をあてがわれたと言う。いや、ホントね、東京オリンピックの頃までそう言う空気が凄くあったの。
こうして愈々上陸間近となり、船内生活の為に開封した箱はまた荷物を入れてしめなくてはならない。でもマリはそれが出来なかったくせに、もう準備出来たと聞かれたら平気で大丈夫とか答えちゃう。今日ここが一番マリらしかったかな。
前川達は報瀬達を先に上陸させる。タラップを四人が降りて行くが、やはり最初に足を下ろすのは報瀬でしょと促された報瀬だが、それは自分だけじゃないと四人で同時に着地した。
そして報瀬は叫ぶのだ「ざまーみろ!」
あの南極と言うあだ名を付けたヤツらに、行ける筈が無いと思っていたヤツらに。
それは嘗て日本が行けるものなら行ってみろと昭和基地の場所を指定されてそれを乗り越えて南極に到達した様に、そしてさらには民間南極観測隊の到達が危ぶまれたのを乗り越えた隊員達に通じる。
だから全員で「ざまーみろ!」
ところが最後の場面、船室のPCに結月の母からメールが着信した。
不穏な予感しかしない。