りゅうおうのおしごと!・第3話
もう一局と言うあいに対して八一は明日は研修会試験なのだからちゃんと寝ておきなさいと言う。なんでもそうだよね、本番の前はよく寝ておくのが大事。そこであいは師匠を感じられる何かをくれと言う。八一は「感じる」に反応したが、いや、どう聞いても側に置いておきたい何かだろうに。
と言う事で八一は「勇気」と揮毫した扇子をあいにプレゼントした。対局に扇子は必須だ。
そして研修会試験が始まる。対局は全部プロが相手なのかと思ったらあいの最初の相手は綾乃だった。開始からあっと言う間にあいが勝ってしまう。
え?もう?と言う周囲の声からそれでは自分が相手しようと久留野義経七段が相手をする事になる。流石に平手ではなく二枚落ちでの対戦。途中までは定石通りのさしかただったものの、途中で定石から外れた攻めを見せあいの対応を探った。そこからはあいの読みがどこまで通じるかで、それでも押してくるあいに久留野七段は対局七つ道具の中から携帯型の空気清浄機を出して集中しようとした。
これを見て「たかが将棋に」と言う雛鶴母。いやいや、それを生業としてる人の事を「たかが」と言っちゃいかんだろ。それを言ったらあなたの所は「たかが温泉旅館」ではないか。そうじゃないでしょ。
結局久留野は投了。久留野はあいの強さに舌を巻いた。才能だけで吹き飛ばされた、つまりそれは今は未だ将棋の勉強を初めて日が浅いのにその才能がずば抜けて高いから自分は負けてしまったと。
久留野は読みの正確さもさる事ながら心が強いと言う。それを聞いた雛鶴母がそれが将棋の才能と関係あるのかと聞くと八一と久留野が間髪入れずに同時に「あります」と答える。
どんな不利な状況になっても折れない強い心、そして棋士は負ける時もあるが強い心を持っていれば敗戦から立ち上がる事もできる。
ここまで二勝。約束の三勝まであと一つ。
その三戦目の相手が銀子だった。
ここで銀子の将棋界での紹介が入るのだが、今迄何も語られずにいきなり「浪速の白雪姫」とか言われるものだから「え?別人?」と思ってしまった。将棋千四百年の歴史の中で最強の女性だそうだ。単に八一より先に入門したから姉弟子かと思っていたのに、女流二冠。奨励会二段で女流棋士との対戦はこれまで47戦47勝(下位女流棋士との対戦と聞こえた。つまり上位には未だ強い女流棋士が居るかもと言う事か)。白星しかないので白雪の如くと言う事から浪速の白雪姫と呼ばれる様になったのだそうだ。そんな棋士だったのか!
その無敗の白雪姫と平手で勝負。いつのまにかあいの持ち時間は無くなっていた。これからは一分以内にささないといけない。そこにさらに銀子のさしかたがあいの呼吸を遮断する様に来る。あいはとうとうハイパーベンチレーションに。これは八一がさしたさしかたを銀子が獲得したもので、今の銀子の背後には八一が居てそれがあいを攻めていると思う八一。
遂にあいが投了。大粒の涙を落とす。
銀子がそれを受けて退出したものの、外に出た銀子が壁を叩いた。こんなに手こずるなんて。次はもっと早く倒すと。
雛鶴母との三勝しないと連れて帰ると言う約束だったが、八一はあれはあいが弟子になりたいと言った時の約束で、今度はこちらからお願いしたい。娘さんを預からせて欲しい。中卒だが世界一強い竜王の自分が必ず育て上げると。
ここでやっと雛鶴父がもういいじゃないか、許可しようと言った。
それで了解した雛鶴母は、分かった、その代わりにあいが中学卒業迄にタイトルを取れなかったらあなたに「ひな鶴」の婿養子に入って貰うと言うのだ。
えー、それどっちに転んでもOKじゃないですか(をい
あいは一旦家に戻ったが、改めてやって来るにあたっての歓迎会の連絡を銀子に連絡するのはてっきり桂香だと思っていた八一がおまえだと言われて、電話で話すのは恐いからメールでとスマホを操作したその背後に銀子w
とことん銀子との相性が悪いな。