宇宙よりも遠い場所・第5話
とうとう全校集会で南極に行くのが紹介される迄来た。
二人からの挨拶でマリは普通に挨拶するが、報瀬のは「(ざまーみろ)行ってきます」が込められていた。
なのに、南極のレポ撮りになるとすっかりガチガチになる報瀬。結月は手慣れたものだが、報瀬が一人NGを出す勢い。マリ曰く、目の前に敵がいないとダメらしい。
帰りがけに(山手線・京浜東北線北行の案内が出ていたので浜松町あたりで乗車した、竹芝桟橋に居た、とかそんなのだろうか。後で場所をよく見てみよう)持って行く荷物が自分の体重との合計で100kg迄だと言う話になる。これ、大人の男性は結構厳しいんじゃ。
マリは家であれもこれもと詰め込んでみたが、どんどん膨らむ一方。妹のリンが選別してくれる。と言うか、そもそもフライパンまで持って行こうと言う考えのマリがおかしい。
そうやって部屋の中を引っ繰り返した事でプレステが発見される。その昔、マリがどんなゲームをやってもめぐみに適わなかったので、練習の為に借りたものだった。借りっぱなしだった。そんな思い出と一緒にプレステをめぐみに返しに行く。
昔を思い出しながらマリがプレイしている間、めぐみは南極行きを案じる様な止めたい様な事を言うのだが、マリがあっさりと大丈夫みたいな事を言う。それを聞く度に何だかめぐみの黒さが増している感じがする。そして最後には足をひかっけた風でプレステの電源を落としてしまった。
南極出発前の登校最後の日、マリは教室で花束まで貰って送り出された。下校時にめぐみと一緒にあの茂林寺へ。ここにももう三ヶ月は来られないんだなあと。そこでめぐみはまた言うのだ。マリ達の事を悪く言う人達が居ると。費用を稼ぐ為にコンビニで万引きしたとか歌舞伎町で男と遊んだとか。それを聞いてマリはびっくりした。だから三ヶ月居ないで帰って来たらもっと酷い事になるんじゃないかと。
その話の最中にやって来た報瀬と日向。報瀬はマリからそれを聞いて怒髪天を衝く。誰だそんな事を言っていたヤツは!と。しかし日向がここで滅茶苦茶大人。明日にはもう出発するんだ放っておけと。それでも収まらないに報瀬に
「人には悪意があるんだ。悪意に悪意で向き合うな。胸を張れ」
凄い。大人だ、大人、日向。
モヤモヤして大声を出したいと言う報瀬に、だったらカラオケに繰り出そうぜと日向達はめぐみを含めて四人でカラオケに行く。声を出せ声をと言われて報瀬も叫ぶのだが、そのご乱心の様はに送られた。
「一緒じゃなくてよかった」って言われて居るぞ。
マリが家に帰ると家でも送り出す準備をしていた。バケツプリンも作って。宅配便も出して翌朝は早起き。暫く居なくなる自分の部屋をしみじみと眺めるマリ。これね、暫く離れると帰って来た時に自分の部屋なのに違和感を感じるんだ。何度も何度も入院したからその度に帰って来た時にそれを感じてるの、私。
家から外に出たらめぐみが立っていた。見送りに?
「絶交しに来た」
そう、めぐみが何度もマリが南極に行くのを心配する様な口ぶりで思いとどまらせ様としていたのは小さい頃から妹の様に自分に従っていたと思っていたマリが自立して自分よりも先へ行ってしまいそうになるのを妨害していたのだ。それはあの言葉のみならず、陰で行っていた事もあった。
何故マリの母親が南極の事を知ったのか、何故報瀬が100万円持っている事を不良どもが知っていたのか、何故マリ達が歌舞伎町に行ったのが知られて陰口を叩かれていたのか。めぐみを疑う事の無いマリに、自分はこんな事をしていたんだと。
そうしてマリから離れようとするめぐみにマリが追いかけた。そして抱きつく。
「絶好無効」
マリ、こんなによい子なんだぜ。
そしてマリ達は海外へ。