結城友奈は勇者である -勇者の章-・第3話
クリスマスが近づいている。
「良かった、友奈ちゃんとクリスマスを迎える事が出来そうで」
はぁ、そんな不吉な事を言ってはいけません。
園子は美森と一緒にクリスマスをやるのが初めてと言って喜んでいる。
そんな勇者部の部室ではクリスマスツリーの飾り付けが始まっていたが、受験生の風だけは中学3年間の数学がわかる本を読んでいた。メガネをかけていたので視力が落ちたと聞いた時はちょっとドキっとしたが、これは大丈夫だったかな。
先週は大変だったから取り返さないとと風が言うと、美森が「陳謝!」w

受験よりブラックホールの方が急務と言うと、これまた「陳謝!」w

樹は学生コーラスのイベントもあるし、それを聞いた美森と園子が風邪をひかないようにと健康念波を送るし夏凜はサプリを出すし、みんな楽しそうにしているが友奈がイマイチその中に入っていないのを感じた風が何か悩みでもあるのかと言うのだが、友奈は言えていない。勇者部の約束に「悩んだら相談!」と言うのがあるのにね。だからそれを破って友奈が沈黙しているのはおかしいんじゃないかと思った。友奈の性格で。
でも違うのだ。おそらくもう既に一度試していた。でもそれをやると印が出るのだ、話そうとした相手に。それで今度はアリとキリギリスの話をしてみる。キリギリスがアリの借金を肩代わりしたらどうなるのかと。ところがこれで伝わる訳もない。だから改めて言おうとするとみんなにあの印が出る。これで口をつぐんでしまう友奈。
友奈には分かっていた。美森を助けた時にお役目が美森から友奈に移ったのだと。だから今自分にあの印があるのだと。でもこれを言ったらクリスマスをめがけて盛り上がっているみんなに水をさしてしまう。
ところが水をさすどころではないのだ。うっかり話しそうになって相手に印が出たらその相手に不運が生じるのだ。昨日のあのせいで夏凜のマンションのエアコンは壊れる、美森の電灯が切れる、風と樹は鍵を落としたので寒空の下で震えた。挙句の果てに園子は右手をポットでやけどした。
このままで良いとは思えない友奈は風を連れ出して話そうとした。でもそこで風の胸に印が生じるとまたも言いそびれてしまった。慌ててスマホの写真の話にごまかしたのだが。
そして事故は発生する。信号無視をした自動車に風がはねられるのだ。精霊が飛び出て助けようとしたのは見えた。そして消えてしまったかの様な描写もあった。友奈達のところには樹から風が自動車にはねられて今病院にいる、どうしたらよいか分からないと言うメッセージが入ってみんな急いで駆けつけた。

処置室からなかなか出て来ない風。でもストレッチャーに乗って出て来た風は痛々しい姿ではあったが元気だった。命には別状が無い。でも勇者部のみんなだったらどこか動かない所は無い?と聞きそうなものだった。
病院からの帰り道、美森はみんなに何か遭ったら普通ではいられないと言うけど、美森がそれを言うと恐い。何しろ一度それで壁を壊したんだから。別れ際に園子は友奈の様子がおかしいのに気がつく。あれで分かるか。
これで友奈は確信した。お役目は自分に移った。そしてそれを誰かに言おうとするとその相手が不幸になる。まるで口封じの様に。これでは友奈は誰かに言える訳が無い。自分が話す事で話そうとした相手が不幸になる。
友奈が風の見舞いに病室に入ろうとしたらそこには既に樹が居る。風の見舞いと看病で学生コーラスの出場をキャンセルして代わりの人にお願いしたのだそうだ。風はそんな事しなくてもいいのにと言うが、樹にとっては姉の方が大事。でもこの事態を作ったのは自分なんだと思った友奈にはそれが耐えられない。
その後美森と夏凜がクリスマスの姿で入って来る。でも先に来てると思った友奈が居ない。さらに遅れて園子がやって来たが病室の入口には友奈が作っていた筈のしおりが落ちているのを見つけて事態が分かってしまった模様。


友奈の家に大赦の使者が来ていたみたいだし、これは愈々本格的にお役目として穴を封じに行かなければならないのではなかろうか。美森を引き抜いた時にたまたま穴はもう閉じていたなんてのは都合が良すぎたんじゃないかとは思っていたが。
そして辛いのはあのいつでも強気で元気な友奈がこの事を誰にも言えず苦しんで、泣いてしまう事。こんな友奈、見ていて辛い。


