このはな綺譚・第9話
柚と櫻が大きな亀を連れて来た。そんな物をと言う皐と亀はうまいぞと言う桐。亀はこの事情をお話ししますと喋り始めた。普通なら「亀が喋ったぞ!」と思う。私も喋った瞬間そう思ったが3秒位後に「これはこのはな綺譚」と思い直す。当然皐も桐も驚く反応無し。
まるで絵に描いたかの様に浜辺で亀は悪ガキ共にいじめられていたのを柚が止めようとして柚は転んだものの櫻がどこから調達したか鐘を転がしてガキ共を追い払う。その時に勢い余って亀を潰してしまって亀は負傷。
でもそんな些細な傷は置いておいて、亀は助けたお礼として二人をわだつみの城へ招待したいと言うのだ。柚は自分はいいから蓮が行ったらと勧めるものの、亀が自分の力から言って柚の重さなら大丈夫でも蓮の重さは無理とか、デリカシーの無い事を口走り、それに怒った蓮が亀をどつくのを今度は棗がぽっちゃりの方が良いとか言ってしまう。
そんな訳で柚と櫻が亀に乗る。出発しようとしたが、ここは色々突っ込みたかったが、案の定突っ込まれた。まず、あれで息が続くのか、亀の能力で息が出来るのか、はたまたこの世界だと水中でも大丈夫なのかと思ったら、やっぱり柚と櫻は溺れてしまう。でも浦島太郎と山幸彦は大丈夫だったとか、亀の長生きすげー。もうひとつ、此花亭の池から行けるのか、海に繋がってるのかと思ったら、やっぱりダメだったらしい。
亀は柚にわだつみの城へ行けば働かずに遊んで暮らせると言うが、柚はそれに乗らない。亀にこう声をかけられた柚を皐が心配して見ていたものの、柚は此花亭で沢山のお客さまのお世話をする方が良いと答えてほっとした表情を見せる皐。
とまれ亀をお客として此花亭に迎えようとしたが、足の泥を落とすとかその辺りまでは良かったが、オイルを塗るとか奇妙な事を言い出したかと思うと、塩を塗り込むとか言い出して食べる気満々。慌てて亀は用事を思い出したと逃げてしまう。
蓮は柚に此花亭は高貴なお客さまでも予約していらっしゃるから得体の知れないのを連れて来てはダメと言って叱る。そんな訳で柚はあらたにやって来た人物に対してご予約の方ですかと聞いて、予約は無いが大丈夫だと返されたので慌てて蓮の所へ。
またどこかの人間を・・と思って蓮が見てびっくり。滅茶苦茶丁寧な接客となるが、どうやら最上級の神様なのだそうだ。イザナギとイザナミの孫、アワナミだと言う。本来ならば貴賓室は女将か桐がお世話するのだが、手が離せないと言う事で蓮が任される。一緒に柚もと言うが、柚が何をしでかすかと心配する蓮。実は蓮はアワナミの様な神にあこがれているのでここまでお世話に入れ込んでいるのだ。
ところが風呂で背中を流している時に異変が起きる。妙にヘチマが泡立つ。泡が多すぎたので一旦お湯で流しましょうと蓮がお湯をかけるとアワナミは無数の小さいアワナミ=チビナミになってしまった。
蓮の叫び声を聞いて棗もやって来る。茫然としている蓮に一緒に集めようと棗は外に出て行ってしまったチビナミの回収へ。と言うか、楽しそうなんだが、棗。それにしても棗と同じ様に柚も回収に手伝ってくれると言うのにこの扱いの違い。
チビナミは外にいたお菊と瓜乃介を飲み込んでしまった。小さいと泡の中に取り込むのか。そしてお菊は何かおかしな物を見せられているらしい。お菊が小さいから取り込まれたのかと思ったら、柚までも取り込まれる。これちょっと恐い。柚がその中で見たのは古事記の神話の世界。イザナギとイザナミが天沼矛を突き刺してこおろこおろとかき混ぜ・・・と言う場面が出るのだが、ここまで来た時に思わずみすず学苑を連想してしまうのであった。
柚がチビナミの中から助け出され、大方回収されたところで桐が帰って来る。一体この騒ぎは何だと。柚が蓮を庇おうとしたものの、蓮はこれは自分がした事と罪を被るんじゃないと言う。
チビナミの回収が終わってアワナミが再生。桐によるとアワナミの「生まれ直し」なのだそうだ。自分でヘチマでこすってくれと言ったしね。でも人騒がせな。