メイドインアビス・第10話
厳しい。実に厳しい。
ここを読んでいる人で未だ見ていない人は居ないとは思うが、もしこれから見るのなら覚悟を決めて逃げずに見なくてはならないのを知っておいた方が良い。
深界四層に到達してダイカズラの上に乗るリコとレグ。ダイカズラの捕食器の上にはお湯が溜まっている。浅いのでそのまま歩く事が可能。え?今、捕食器って言いませんでした?それってまずくないのか。でもリコもレグも何も気にしないで歩いて、しかも何も起きなかった。このダイカズラは2000年ごとに代替わりするのだと言う。最初に見た時はするっと通過したけど、2000年周期で代替わりする植物って誰がどうやって調べたんだ。
歩きながらレグは思う。深界四層から上昇負荷が厳しくなる。もう迂闊にリコを上昇させる事は出来ない。そう言う意味ではこのダイカズラの湯は、液体であるが故に水平が保証されている。知らないうちに登っていたなどと言う事はない。
そうやって歩いているうちにレグは二人で会話をしている時にこちらを伺う何者かが居るのを感じる。それを避けようとして移動しているととんでもないものが現れた。それはタマウガチ。下手に走って逃げると追ってくると言うし、しかも背後に近寄られるまで気配を感じなかった。そしてリコはレグも迂闊に近づくなと言うのだ。タマウガチの針の様な毛は鋼鉄をも貫くのだから。さらに悪い事に毒を持っている。
逃げ回っているうちにリュックをやられてしまう。レグの予想よりずっと動きが速いのだ。おかげで無尽槌を落としてしまった。リコはタマウガチは自分よりも大きい相手に怯むと言って鋼鉄の傘を貸してくれたが、これが駄目だった。全然小さい。だからタマウガチを怯ませる事が出来ずに突進させてしまった。そしてタマウガチの毛は傘を貫き、なんと言う事か、リコの手を貫いてしまった。痛いだけではすまない。毒があるのだ。毒がまわりはじめたリコを助けるにはどうしたらいいのか。
万策尽きたレグは上昇負荷を気にしている場合ではなく、リコを連れて上のダイカズラに登ってしまった。だが、上昇負荷は容赦なくリコを襲う。体中の穴から血が吹き出す。毒も吹き出すがそれで済む話ではない。タマウガチに刺された手から毛を抜き、腕を縛る。だが、一向に快復には向かわずリコの容態はどんどん悪化する。
ついにはリコの腕を切り落とさざるを得なくなるのだ。ああ、ここら辺の場面、見続けるのが辛かった。こんなに見るのが辛い作品は昨今あっただろうか。腕を切り落とすには先ずは骨を折らないとと言ってレグはリコの腕を折る。本当に折ってしまった。そしてナイフで切り落としにかかる。そこに虫がたかって来て切断は中断。ふと見るとリコが息していないのだ。
そんな悲惨なところへ姿を現したのがナナチだった。未だ死んでいないから取り敢えず呼吸をさせろとちゅーをすすめるが、ちゅーとか言ってる場合ではない。ナナチの指導どおりに行ったらリコは呼吸を回復した。そのまま自分の所へ連れて来いと言うナナチ。なんとか助けられるかもしれないと聞いてレグは疑う余地もなくリコを抱いてナナチの所へ運んでいった。途中で上昇負荷のかかりそうな場所を乗り越えて。
リコを置いてナナチの部屋を見ると笛などが沢山ある部屋だった。そしてナナチは言う。自分は「成れ果て」なのだと。