賭ケグルイ・第12話・最終回
とうとう念願の会長との賭けを行う事になった夢子。
あの会長との勝負なんだから準備を怠らない様にしなくちゃと色々道具を出す早乙女と皇なのだが、当然、皇の用意する道具はイカサマ付きの道具。それにしたって赤外線カメラで見たらカードがすっかり分かるって言っても、その姿が明らかに怪しいだろ。
そもそも夢子の性格からして道具を使ったイカサマなんてやるまい。相手との駆け引きで賭けを楽しむのが本領なのだから道具に頼る様な賭けはすまい。
皇も結局は夢子の言い分を理解して道具は収める。
賭けの当日、生徒会室に言った夢子と鈴井達。勝負に何を賭けるのかと言うと、負けた方がこの学園を去ると言う事になった。早乙女は、こんな勝った方が何の得にもならない勝負なんておかしいと言うが、会長は、そもそもギャンブルと言うものは何も生み出さないものだと言う。そう言う非生産的な物に我々は執着するのだと。
勝負はタロットカードとなった。大アルカナカード22枚を並べ、過去・現在・未来の三人がカードを引く。正位置ならプラス、逆位置ならマイナス。三枚の合計がプラスなら夢子の勝ち、マイナスなら会長の勝ち。但し愚者のカードが出たら他の数字と無関係に、正位置なら夢子の勝ち、逆位置なら会長の勝ちとする。そう言って会長は愚者のカードを見せて戻した。
戻し方、変なポーズだなとは思った。
過去を引くのは会長、現在を引くのは夢子、そして未来を引くのは会長がよく知らない人物、鈴井となった。
夢子が引いたのは魔術師の正位置。これで+1。皇はたった1点と嘆くが早乙女は冷静で、そもそも期待値はゼロだから1点だろうとプラスなのは上々だと考える。
だがその甘い見通しは次に会長が世界の逆位置を引いて吹き飛ぶ。世界の逆位置はマイナス21。これで合計マイナス20。夢子が勝つにはもう鈴井が愚者を正位置で引くしかない。それは残ったカードの枚数と正逆の乗算で1/40だ。そんなのは自分には無理だと思った鈴井だったものの、早乙女と皇はある事に気がついた。
ゲーム開始前に会長が引いた愚者のカードにネイルの汚れが付いている。それを探せば愚者のカードは分かる。そうなったら後は正位置を引くか逆位置を引くか確率は1/2になるのだ。1/40から見たら圧倒的に可能性が高い。だがそれを二人は鈴井に教えられない。黄泉月に当然の事として部外者のアドバイスは禁止だと阻止されたのだ。
でも鈴井はそれに気がついた。あの汚れのあるカードは愚者のカードではないのか。ならば1/2の確率で勝てる。
(カードの下を持っていたから汚れのある方が下で正位置か逆位置も分かるんだけどね、あの汚れが本当に愚者のカードなら)
それなのに鈴井はその汚れのあるカードを引くのをやめる。それは会長の作った舞台に乗る事だ。自分はそれに乗らず自らの運命を賭けてカードを引くのだと。この鈴井の決意は夢子にこの上ない快楽を与えた。会長の作った舞台に乗らず、自らの運命に全てを委ねる。
「素晴らしい!是非とも適当に選びましょう!運任せに選びましょう!」
また名言吐いたなw
ここで落ち着いてメタに考えると、賭ケグルイはこの後も夢子と会長が学園に居るのだから鈴井は審判の正位置、プラス20を引いて引き分けになるだろうと。でもその先読みはちょっとずるいか。原作が公開された時は物語の先は見えなかったのだから。
鈴井は引いた。予想どおり審判の正位置。これによってプラスマイナスゼロとなり、勝負は引き分けとなって夢子と会長のどちらも学園に残る事になる。ロシアンルーレットの時と言い、夢子はたまたま鈴井と言う最高のパートナーを得てこの先も百花王学園で賭ケグルう。
賭ケグルイ、大変面白かった。やはりインディアンポーカーの時の駆け引きが一番面白かった。単純な勝負を駆け引きによって極めて面白く描く。
是非とも二期をやって貰いたい。