ナイツ&マジック・第11話
奪われた(ジャロウデク王国から見て)エレオノーラ王女の居場所と幽霊騎士団の場所が分かったと知ってジャロウデク王国第二王子クリストバルが直ちに動き出す。彼は今回のクシェペルカ侵攻作戦の前線指揮官だそうだ。しかいカタリーナ第一王女は弟の暴走を諫める。最高指揮官が自ら出て行くのは危険だしその必要はないと。だがここで叩いておかねば占領地への示しが付かない、自ら鎮定してくれんと勇んで出陣した。
クリストバルが馬鹿と言うのはあるが、コジャーソの発明の新兵器レビテートシップなどを投入しても負け戦となった先の戦いや、カタリーナが送り込んだヒエタカンナスの部隊が全滅したとかの情報が伝わって居なさそうなのは彼一人に責めを負わすのは無理かもしれない。一方でクリストバルには何を伝えても聞く耳を持たないから言わないと言う風潮ならそれは彼の責任だ。
意気揚々とクシェペルカ残党の籠もるミリシエ攻略にレビテートシップを押し立てて進み、敵の反応が無いと見るや猶予の時間は与えた、全滅してくれると前進を開始する。しかしこれがエル側の作戦で、対空砲撃の射程に入った所で新兵器の対空槍が発射された。エルが対空兵器を作るとは思っていたが誘導ケーブルのある槍ミッシレジャベリンか。未だホーミングミサイルは無理なんだな。
とは言っても現時点での対レビテートシップ戦には充分で、レビテートシップは全く対抗出来ずに次々と撃ち落とされて行く。このままではいかんとジャロウデク王国軍は降下態勢に入っていたティラントーをまだ充分な高度まで下りていないにも拘わらず投下する。だから着地したティラントーは態勢を整えられる状態ではなく、そこを地上戦に待機していた金獅子やツェンドリンブルに包囲殲滅されてしまった。
一方でレビテートシップの方に飛んでいったエル=斑鳩は何隻か撃墜した後でまた地上に戻って来てロボ同士の戦いを所望するものの、みんな斑鳩の姿を見て逃げてしまった。
お味方全滅の報により無念ながらクリストバルの旗艦は撤退を開始した。それに従って随伴艦もと回頭しようとしたのをコジャーソが悪魔の囁きで止める。殿下の行動を妨害する事になるやもしれぬので、我々はここで頑張りましょうと。
ところが真っ先に逃げ出したのが敵の重要人物を乗せた艦と見抜いたエルが斑鳩でクリストバルの旗艦に乗り上げる。ここで我慢出来ずにクリストバルが自らシルエットナイトに騎乗して斑鳩と対峙するのだ。我が旗艦の上に乗るのは無礼であろうとか、どの時点からなのか知らないがジャロウデク王国の王族はあまりに他国を見下す様になっていて、またそれが当然だと考えている。
やっと敵シルエットナイトと一騎打ちになると喜んだエル。とは言ってもやはり全然勝負にならない。あまりに強いエルに対してクリストバルはこちらに参陣しろと言い出した。フレメヴィーラの人間ならクシェペルカにつかねばならぬ理由もあるまい、今の地位の倍の地位にしてやろう、爵位もくれてやると。
自分を買収しようとしている相手にエルが無邪気に本気で考えてやる。今の地位の倍と言うのならシルエットナイトの開発の全権を貰い、ジャロウデク王国の技術を丸ごと貰って、輸送権限も貰って全ての作戦指揮権をくれると言うなら考えましょう。でも爵位は要らないので辞退しますと。
それを聞いたクリストバル、おまえは一体なにを言っているのか。そうは言ってもエルはフレメヴィーラ王国でそう言う地位にあるのだからとすっとぼけると、破れかぶれになったクリストバルが最後の戦いを挑み、完全にあしらわれると今度は自らの本陣船を砲撃してお前には何も渡さぬと墜落して自害した。
自機と共に最期を遂げるとは見事なお覚悟ですとつらっと言うエル君。
本陣船の墜落とクリストバルの最後を見届け殿下の犠牲を無駄にせずに撤退致しましょうとつらっと言うコジャーソ。
コジャーソにとっては以前チラとしか見なかった斑鳩の飛翔が爆発の反作用によって飛んでいると知ったのは収穫だった。
ジャロウデク王国軍に大勝してこれを押し返したクシェペルカ王国は、ここで王国の再興を宣言する。すなわちエレオノーラが王位継承を決意して神聖クシェペルカ王国を宣言するのだ・・・あ、やっぱり新生クシェペルカ王国ですかね?神聖モテモテ王国みたいな名前じゃなくて。そもそも神聖って何らかの宗教権威によって王冠が授けられた場合に冠するので。
クシェペルカ王国のマルティナはエルに対してクシェペルカ王国軍の再編の為に、不足するシルエットナイトの補充に以前約束した銀凰騎士団が鹵獲したシルエットナイトは譲渡すると言う約束に対してそれを貸与して貰えないかと言う。エルはあっさり良いですよと言うのだが、でも貸与したシルエットナイトが倒した敵のシルエットナイトはこれは僕のものですよねと。そんなに貰ってどーすんだよ。
ともかく敵兵器を鹵獲して相手の技術の分析を進めるエル。何故ジャロウデク王国軍は魔力消費の多いテレスターレを改造してティラントーを動かせたのか。それはエーテルを固形化したエーテライトと、それをエーテルサプライヤーで高濃度エーテルをエーテルリアクターに供給しているから動けたのだ。但しこれは魔力転換炉の劣化が激しいのでそこは使い捨てになってしまう。
またレビテートシップも同じ様にこの大出力の力によって魔力的に船を浮かせていたのだ。しかし詳細については捕虜となった兵士達は何も分からず、開発者のコジャーソが何もかも指揮して作っていると言う。これだけの物を開発したそのコジャーソと言う人とメカについて語らい合いたいと言うエル君。
コジャーソはカタリーナに対してクリストバルの無念を晴らす兵器を必ずや作ってみせましょうと誓い、そのとおりにお蔵入りしていたドラゴン型の兵器をクシェペルカ王国に送り込んで来た。最初はまたレビテートシップが来たのかと思ったクシェペルカ王国側だが、様子の違いに気が付く。それはエルが開発したのと同じ様にエネルギー噴射によって推進し、そしてカルバリンを束ねて大出力にした砲撃をかけて来る。その予感を察知したエルが危ないみんな退避しろと叫ぶ。
この付近、ガンダムを彷彿させたなあ。ドラゴン型の兵器はモビルアーマーの様だし、ドラゴンの口から放たれる砲撃はソーラレイシステム。それを察知して逃げろと叫んだエルの言葉はアムロが「憎しみの光だ」と叫んだのを思い出した。