サクラクエスト・第11話
龍神様の石像を落として壊したのは、ドクが特製の強力接着剤メデューサβで修復してパワースーツで設置完了。間野山におけるドクの万能感は凄い。しかし龍神様を蛇風情の接着剤で治して大丈夫か。
昨晩の雷雨はそれ以外にも影響を及ぼしていて、王宮の玉座がまるで池からあがった何者かが座った様な汚れ方をしていた。前回の最後に確かに誰か池から這い上がっていた。それから凛々子は雨にうたれて風邪をひいてしまっていた。前回の最後はとても辛そうな感じだったので祖母に向かって大げさすぎと言える程度の風邪で済んだのは不幸中の幸いだろうか。
由乃は凛々子の事が心配で見舞いに行く事になり、この日の婚活ツアーは最初は参加しない。ツアーの方はまあまあの感じで進行。警官の金田一は今日は非番だからと言ってちょっと反応が良かった聖美に盛んにアプローチする。
今日最初に向かったのは間野山のボルダリング施設。こんなのあるのか間野山。金田一が登ってみせるのだが、それを遙かに凌駕した雰囲気でサンダルさんが頂上に居るとか、やはり邪魔になってる感じもある。フレンチのランチの時は流石に早苗達と一緒に幕の内弁当を食べてるが。
このサンダルさん、聞いたところによると曾祖父と曾祖母が間野山に居たのだそうだ。曾祖父が間野山に来て曾祖母と愛し合って国に戻ったと言う。実はそれと似たケースで凛々子の父と母がそうで、父は間野山の人(織部)で母が間野山に来てその母が織部の家に入るのを嫌がって間野山を出たと言う。ところが二人は離婚となり、その上父親は海外赴任が決まった為に凛々子は祖母の所で育てられたのだという。だから千登勢は外からやって来たヤツに大事な息子を連れて行かれた挙げ句にこうなったので今回の様な外から人を呼ぶ婚活ツアーになおさら否定的な目を持ってる。
と言う、そんな所へ、由乃が洋菓子を見舞いの品として菓子屋に見舞いに行くものだからそりゃ千登勢だって不機嫌だろうw 凛々子に会う事かなわず帰らざるを得なかった。
祖母に大丈夫と言ったとおり凛々子の風邪は大した事はなかった。間野山踊りに絡んだ龍の伝説を調べていたら別の伝承を見つける。先日の門田の伝承では龍が出て来ない様にと賑やかな踊りで龍を封じたと言う話だったが、読んでみるとそれによって疎外された龍は一人で洞窟で死んでしまうのだが、最後に「間野山の人々は悲しんだ」とある。封じ込めたくせに悲しんだはおかしいではないか。一人疎外感を持って自分が龍と同じではないかと思っていた凛々子はそれを調べた結果、実はあの踊りは間野山の人達が龍の知恵を歓迎しての踊りだった事が分かる。排斥の踊りじゃなかったのだ。
その龍神伝説を改めて婚活ツアーの所で知らせようとした凛々子だったものの、聖美が昨日以来龍神の事と謎の視線を怖がっていた為に聖美にこれ以上無用な刺激を与えたくない金田一が凛々子の言葉を遮って空気読めと席を外させる。これでまた疎外感を持つ凛々子。その凛々子が心配になって由乃がおいかけて上記の間野山の真の伝承を聞くと、間野山は外の人間を排除する所じゃなくて受け入れる土地だったんだ!とそれを何とかしてみんなに知らせようと凛々子を誘う。
それを一緒にやろうと誘う由乃に凛々子が思わず自分は由乃とは正反対でと言ってしまうのだが、由乃はそんな凛々子を包み込む。だんないよ・・ってのは、しおりだったら言っていたのかもしれない。
ちょうどそこにサンダルさんがやって来て凛々子が発掘した詩を歌っているのだ。これはそう言う歌だったのだ。曾祖母が間野山出身だったサンダルさんは母からこの歌を教わったのだと言う。
最後の晩の会場で、聖美がまたも視線を感じるとその先には目がぎょろりとしてヒゲの生えた男がいる。警官の金田一が怪しい人物として取り押さえるが、実はこれが聖美の元カレ。聖美を追って来たのだと言う。なんてこったい、到着時に彼と別れたばかりとか余計な事で空気を微妙にしただけの話題かと思ったらまさかここに繋がるとは。
そして最後に由乃から婚活ツアーを終えるにあたっての国王からのご挨拶。千登勢に懇願してその場に来て貰って、龍神伝説が実は違っていて間野山は外からの人間を排除する土地じゃないんだと説明し、その歌を凛々子が歌う。これを千登勢に見せたかったのだ。内向きに引きこもるだけじゃない凛々子を。それにしても凛々子、よくもまあこんな場で歌えたなあ。これまでの性格だと到底無理だと思うんだけど。
結局「婚活」と言う視点ではうまくは行かなかったものの、今回やって来た三人と元カレにとっては悪くなかったツアーで、聖美の親に認められなかったら駆け落ちして来たらいいじゃない、駆け落ちの里間野山と言う名称まで生まれてしまった。