月がきれい・第12話・最終回
小太郎の光明高校受験はダメだった。まあ、そう簡単には行くまい。前回親と揉めたけど母はずっと心配していたと言うのが描かれたが、そもそも安曇家の両親は小太郎が先に親に話さずに教師との進路相談の時にいきなり言い出したのでそこで喧嘩みたいになったが、千葉への進学費用については一言も出て来なかったので、手順を踏んでいればあそこまでどうのこうの言われずあとは小太郎が受験で受かるかどうかだったろう。ダメだったけど。
不合格だったのを茜に伝えると残念だったねと。茜からはこう言う慰めしか言えまい。この時点では二人は川越と市川との遠距離恋愛を考えていた。距離にして60km程あるんだけどね。
姉の彩音は遠距離恋愛の難しさを指摘し、男子って面倒くさがりだよと言う。そして別れたら?とも。こう言う考え方って昔は全く理解出来なかった。でもこう言う価値観の世界に住む人達って恋愛対象はスマホのキャリアの乗り換えみたいな感覚なんだと言うのを最近分かる様になった。かと言って私がそう言う価値観になった訳じゃないが。
古書店の大輔は小太郎に小説家にはどんな体験も全て小説のネタになると言われた。それは慰めかもしれないが、一方で本当の事で、いい励ましにもなったと思う。
小太郎は市立の方は合格する。帰り際、千夏が一緒に合格したねと寄って来て、そしてあの氷川神社の氷川橋。この機会にちゃんと言わないとと千夏は小太郎の事がずっと好きでしたと告白する。ああそうか、小太郎には言ってなかったんだっけ。小太郎の胸に飛び込んだ千夏だったが、小太郎はごめんと。このタイミングはなあ、小太郎は当然断るだろうけど、1%位は乗換を考えたかもしれないし、そしてこの先の三年間頭に残るだろう。
学校で自習中の茜の所へLINEで小太郎から合格したよが入る。そしてまた千夏からも入る。千夏からは小太郎に告白したけどダメだったよ、ごめんねと言うのに続いてこれからも友達でいてくれる?と言うメッセージが来た。
そして卒業式の日。私の世代と違ってこう言う時に普通にスマホで写真撮れるんだよねえ。でもそれがSNOWとかどうなのよ。リア充な世界の方々はSNOWが良いのかもしれないが、私みたいなじじいの視点だとあのSNOWの写真って不気味の谷の向こうに行っちゃった顔に見えるんだよ。
ここで小太郎は良いヒントを貰った。徹夜で小説書いてたとろまんや大地に言ったら、投稿サイトにうpしたのかよと。小太郎、小説の投稿サイトなんてあるとは考えた事がなかったようだ。
卒業式の翌日、新河岸川の田谷堰で待ち合わせ。茜は小太郎があのマフラーをして来てくれた事を喜ぶ。そろそろマフラーは暑い時期なんだけどね。いつものデートみたいな感じになるが、やはり離ればなれになる事などが棘の様に引っかかるのだ。小太郎は毎週市川まで行くよと言う。川越から市川までは経路しだいだが800円前後。出版社に行く時の4 円ですら「高っ」と言った小太郎の財政規模だとその倍でしかもそれが毎週と言うのはかなりの負担だ。小太郎はバイトすると言う。茜は小太郎にばかりそんな負担をさせられないと自分も行く自分もバイトすると口にするものの、茜には部活があるのだ。それはちょっと出来ない。だから小太郎は大丈夫、自分が行くからと言う。
でもこれって茜にとっては小太郎にばかり負担を押し付ける事になる。そんな気持ちが湧いた上に、ここで蟠りが噴出してしまった。千夏から告白された事を小太郎から言ってくれないと。そして泣き出す茜。ここ、断ったんだしそんな事を言わなくちゃいけないのかと思ったろう、小太郎は。そうはならないだろうとは思ったが、恋愛って面倒くさいエンドになるのかとも思った。小太郎にキスした茜はそのまま泣きながら去ってしまう。
とうとう水野家の引越の日。あれ?茜、べにっぽを置いて行ってしまうの?
千夏と葵が見送りに来てくれた。三人とも泣いちゃうのだが、千夏がひょっとしたら禁忌かもしれない小太郎の事を言い出して茜が答えにくそうだなあと思ったら、千夏があの小説投稿サイトの事を教えてくれる。そこには小太郎の小説がそのままの名前で上がっているのだ。それを読んだ茜がこの小説の内容が自分と小太郎の事なんだとすぐに気が付く。
JR川越駅で千夏と葵に見送られて茜はホームへ。その頃小太郎は自分の投稿した小説に沢山のコメントが付いているのに気が付き、その一つが茜による「この先はどうなるんですか」と言うものだった。茜からのコメント!思わず茜のマンションに行くが、そこはもう引っ越した後で、千夏からLINEで茜が改札をくぐったと言うメッセージが届く。
あのマンションからだとホームにはもう間に合わない。小太郎は必死に走って川越線に見える所へ。ちょっと位置関係がアレなんだけど。そこで茜の乗る電車に向かって好きだ!と叫ぶ。茜も終章の小説を同じ時に見てそこ「ずっと好きだ」と書かれたのを見て涙していた。あのべにっぽを鞄につけて。
そしてエンディングに入るのだが、茜と小太郎のその後だった。それは今迄エンディングで見えていたLINEのやりとりそのままの姿で、最後は結婚して子供まで出来るフィナーレ。
月がきれい、ホントに良かった。リア充うまく行き過ぎと言う批判のツイートもいくつか見たけど、中学生が手探りの恋愛を始めて進んで行く姿に心動かされた。東山奈央さんのOP/EDも作品にマッチして、特にこの最終回とか。奇しくもと言うかここまでを見据えての構成かもしれないが、明日からは川越縁結び風鈴が始まる。これはもう絶対行くしかないじゃないですか。