クーデターがACCA主導で本格的に動き出す。5長官は百周年記念式典を名目にして集まった各区のACCA所属員の前に立ち、リーリウム長官は実行主体となる筈だったグロッシュラー長官が体調不良と言う事で実行前の訓辞をしていた。シュヴァーン王子が壇上に立ったところでACCAの兵が王子を取り囲み次期国王候補の座をジーン王子(もう完全に王子扱い)に譲る宣言をさせると言うのだ。
ところがここでジーンが意見を言う。その場で自分に対して移譲すると言う話にするとあのシュヴァーンなので意固地になるかも知れない。その場では自分は前に出ないで辞退するだけにさせた方が良いと。リーリウムには寝耳に水ではあったが、これにはパスティスなどがそれは道理だと言って賛同するのでリーリウムも渋々ながら認めた。
ACCAバードン支部でもクーデター実行のブリーフィングが行われていた。もう普通ならダダ漏れ状態だと思うんだけど、ここではクーデター実行によって広場に集まった民衆が動揺した場合の沈静化と言う使命があるのでまあ仕方あるまい。ただ、シュヴァーンが引きずり下ろされて誰が代わりに王位継承者になるのかと言うのはここでは知られていない様だ。
国王ファルケII世とクヴァルムはやはりこれを知っていた様で、ファルケII世はシュヴァーンには難儀な役割を任せたなと言う。一応ベッドにふせってはいるけど重篤な状態ではないみたいだ。
バードンに到着したシュヴァーンは部屋の中ですねていた。王子を護衛する親衛隊はACCAの式典ごときに大勢で行かないと王子自身が言ったのをクヴァルムもそれを認めたのでたった5人。クヴァルムがこれを認めたと言う時点でクヴァルムも承知の事と言うのが分かる。
こうして始まったACCA百周年記念式典で、壇上にはACCA5長官と本部長と監察課課長の他にジーンも居る。あんな所にとロッタは驚く。元の計画ではジーンにシュヴァーンが王位継承権を譲るのだからこれはそうだろう。
そこに悠然と現れたシュヴァーン。クーデター計画はシュヴァーン側以外みんな知っていると言うのだが、シュヴァーンは仕方ないとしてもマギーのアンテナが低いのがなあ。そしてシュヴァーンは壇上に来てはじめてマギーから式典の進行を聞く。シュヴァーンのその気のなさを表しているのかもしれない。途中で遮ってもうその後は良いと言った時は、まさかシュヴァーンはクーデターの覚悟を決めていたのかとちょっと驚いたものの、なげやりな方の演出だった。
王子が壇の中央に進むと武装した兵士が王子や親衛隊を囲む。完全に多勢に無勢で5人の親衛隊じゃね。こんな事が許されるとでも思っているのかと怒鳴る王子にリーリウムがあなたはACCAを潰そうとしていてACCAは国民の為に存続をかけて廃嫡(クーデター)の挙に出たと言う。これを聞いて民衆からは「マジかシュヴァーン最低だな」と言う感じの声があがる。でもこれはサクラじゃないかな。
これを仕組んだのはジーン貴様か!と言うまなざしでジーンの方に何故お前が出て来ないと怒鳴るが、ここでモーヴ本部長が事態を収拾する方向に動いた。推測で語られるのはお控え願いたいと。そしてACCAの望みは国家の安寧であり、それをACCAが支えたい、だからそれを理解して貰う為に寸劇まがいの演習をしたのであって、シュヴァーンにおかれては国王に即位後もACCAの存続を認めて貰いたいのだと。リーリウム兄弟は驚く。この計画を知らされていなかったのはシュヴァーン側だけでなくリーリウム側でもあった訳だ。シュヴァーンは事態を理解してACCAには末永く国を守って貰いたいと言う。その証をこの席上で示す為にマギーは王子に手を差し出す様にと勧め、それにモーヴ本部長が誓いを行うのだ。
これでこの国の未来は決まった。この後、壇上に居るままジーンやリーリウムが会話するのだが、それってどうなのよと思うものの、まあ演出上仕方ないかなとも。
シュヴァーンがACCAの存続を認めたらACCA自体としてはもうそれでこのゲームは「あがり」だ。シュヴァーンを廃してリーリウムがACCAとドーワー王国を握る「あがり」は無くなったのだと。リーリウムはならばフラワウはドーワー王国から降りると言う。ここはこれ以上ゲームを続けないと言う意味なのかと思ったら、後から分かるがフラワウはドーワー王国から独立すると言う意味だったんだ。
そしてACCA設立時に参加した5人を由来とした5長官制度はもうこれで終わりにしようとグロッシュラーが言い、そしてこれからはACCAを導くのはモーヴ本部長君だと告げて他の長官も長官職を降りると言う。
クーデター芝居が終わってジーンの所へ行くロッタ。そこにシュヴァーンとマギーがやって来る。ロッタは憎い事に危ないところを助けてくれたんだよとジーンに二人を紹介するのだからシュヴァーンもへそをまげたままに出来ない。お爺さまがお待ちだから会いに来ると良いと。
フラワウの独立で石油資源がどうなるのかと危惧されたが丁度都合良くプラネッタが掘り当てた。おかげでヤッカラからさらに一山当てようと言う移住者が増えたのだそうだ。他の地区も嘗ての5長官が戻って区長になり、特にスイツ区などパスティスが大なたを振るう様だ。
ロッタは約束通り王城を訪ねてマギーやシュヴァーンにパンのお土産を渡す。そしてさらには第一王女にも渡すと言うのだ。命を狙った相手だぞと言われても、でも謝罪してくれたし、母(第二王女)の事を随分話してくれたし、と赦すのだ。母の血を濃くひいた感じのおおらかさだ。
ニーノは一応何もかも済んで本当のボスと話をしているのだが、ボスってオウル課長で、しかもアーベントかよ!昼行灯みたいな雰囲気がどうなんだと思っていたがアーベントが化けてたとはなあ。何もかもアーベント(そしてクヴァルム)の掌の上だったのか。
ジーンはモーヴ本部長との話でこれからACCAのトップに立つモーヴをたっての頼みでグロッシュラーに長官に留まって貰うと言うのを言っていたが、その時に何とも言えない台詞「私は、自分が失恋してるってわかってるんですよ」そうかー、ジーンそうだったのか。
でもまあジーンにはニーノが居るからw
プロムキングの王冠を被せたのって高校生の時だよね。ジーンは知らなくてもニーノはジーンが王族って知ってたからなあ。
因みにプロムってのは北米で行われる高校生の行事だそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%A0
ACCA13区監察課は、始まった時はジーンが各地区の監察で鋭い観察眼や処理を見せる話なのかと思ったら全然違っていて、クーデターとかなんだよとも思ったら確かにクーデターで色々予想を引っ繰り返される楽しみのある作品だった。最後までそれが続いた。