乱歩奇譚 Game of Laplace・第7話
パノラマ島奇譚で前後編になったのだが、パノラマ島奇譚そのものでは別に2回に分ける必要は無かった。動機が分からないと言っていたアケチだが、ブラック企業の社長とはっきりしているコモダならそれ系で恨みを買っていたと言うのは全く不思議ではない。そりゃ個人個人で別の意味の恨みはあるだろうけど、ブラック企業の社長と言う意味での恨みであると言う事に変わりはない。
密室殺人トリックも、別にキーとなる何かが前編で示されていた訳でもなく、巨大マネキンが自壊するのを計算し尽くして構成する素材を品質の悪い物にしておいたと言う、いくら計算したってそりゃ無茶だろと言うトリックだった。マネキンの館のマネキン全部が倒壊してその下敷きになるのならまだしも、たまたまコモダ達が立っていた場所のマネキンだけが崩れてその下敷きになるとか。
まあともかく発注責任者だったヒガシコウジが、友人のユキコが残業につぐ残業で過労死してしまったのをコモダに抗議したら、だったらその両親に補償する代わりにお前の身体を素材にさせろと言われて同意したものの、コモダはちっとも謝罪しなかったと言う、そう言うブラック企業の社長にありそうな理由の恨みだった。
こうして今月4人目の二十面相は捕まった。
このパノラマ島奇譚はアケチが二十面相の事件に拘る理由を明かす呼び水。何故ここまでアケチが二十面相の事件だと拘るのかは、嘗て学生だった時代に自分と対等に話せる唯一の友人だったナミコシと二人で新しい理論を構築したものの、アケチはそれには問題があるのを発見。ナミコシにもそれから手を引かせ様としたがナミコシはそのまま暴走してしまった。この理論、数式で未来予測なのか未来操作なのかよく分からん理論でラプラスの悪魔みたいな話をしていたが、それとどう共通点があるのか。
そのよく分からん理論でナミコシは人を操作する事が可能になったらしく、人を操って復讐をさせる。つまりナミコシ本人は化けないけどそうやって好き勝手な他人を動かすからあたかもナミコシ本人が化けているみたいに見えて二十面相の事件と扱われたと言う事かな。
だがやがてそのナミコシも世の中の不正を訴えて新宿のあそこで3年前に焼身自殺を遂げる。
昨年焼身自殺のあった場所だよね(その後、死んだのか生きてるのか知らないけど)。
結局は生活苦を集団的自衛権になすりつけてパフォーマンスしただけの馬鹿者で、今年の新幹線での焼身自殺をしたじいさんと同じレベルの迷惑者だった訳だが。
ともかく、その友人のやってしまった事を断ち切る為にアケチは二十面相の事件は悉く潰して行く決意。