プラスティック・メモリーズ・第1話
この作品、始まる前に何に驚いたかと言うと、土曜日の24:30にAT-X、BS11、TOKYO MX、tvk、とちぎテレビ、チバテレビ、テレ玉、群馬テレビの8局同時放送だと知った時。なんだこれ。
それ以外の何の事前知識も無しに見始めて「はー、なんか人形回収のお仕事なのねー」程度が見始めだった。それが終わってみたら「なんだよ、この泣かせる話」になっていた。改めてWikipedia見てみたら「『STEINS;GATE』などを手がけた林直孝によるオリジナルアニメ作品」とあって、ストーリー性の高さに納得してしまった。いや、私の信条としては人の名前だけで作品を判断しない事にしてるんだけど。
水柿ツカサは大企業のSAI社に入社したものの、配属先のターミナルサービス課は巨大な本社ビルの裏手にある小さい建物にあった。この世界は人間と区別出来ない程のアンドロイドが実用化されていたが、このアンドロイドのメモリーの寿命が9年。それを過ぎるとアンドロイドの記憶や人格が破綻するので、その期限までに回収するのがこのターミナルサービス課の仕事だった。
仕事はアンドロイドのギフティアが行い、パートナーの人間はそれを見守る。非対称な関係のパートナーと何かをと言うパターンはサイコパスとかブラック・ブレットとかが割合近い過去にあった作品かな。しかし突然の配属だったのでツカサのパートナーとなるギフティアが居ない・・・と思ったら、アイラが居た。桑乃実カヅキは何故今更アイラを回収の仕事にと怒るが、仕方なくツカサのパートナーに。
先輩の絹島ミチルと一緒にまずは仕事の仕方を見るツカサだが、いくらアンドロイドと言っても見た目は完全に人間で9年間も一緒に生活したギフティアと別れる家族は肉親を失う様に悲しむ。それを納得させての回収。
しかし納得する相手は未だ良い。白花チヅは何があってもニーナは絶対渡さないと聞く耳を持たない。アイラとツカサのコンビは期日まで毎日通うが全く進展なし。それにしてもアイラはカヅキによると回収実績が沢山ある優秀そうなギフティアなのに、単純な手しかうたない。カヅキがアイラを現場に使うのを反対したり、ツカサの言葉を聞き取れない場面があったり、呼び鈴を押せなかったり、追いかけられると言ってダイブしたり、どうもおかしい。アイラはもう9年の期限が切れているとか言う話なのかなあ。だから機能がうまく働かない場面がある。
最終手段で午後ティーの準備までしたのに、白花チヅに断られるアイラ。
でもとうとう塀を乗越えて入ってしまった。そこをニーナと、そしてチヅに発見されるのだが、ニーナがこのお姉ちゃんをお風呂に入れてあげてと言うので、チヅは仕方なく家にあげる。
その間にツカサはチヅにボディはそのままで中身を入れ替えると言う手段もあると言うのだが、それは相手の心情を理解していないよ、新人社員だから仕方ないんだけど。
でもチヅは悟った。ニーナがアイラをお風呂に入れてやっている時に話した会話に、ニーナを引き止めるのは自分の事しか考えていなくて、ニーナの事を考えていなかったのだと。諦めたチヅはツカサをお茶のセットとともに家に上げて最後のティーパーティー。
そして最後の別れの場面。それまで平気な顔をしていたニーナがとうとう泣きだしてしまった。
ああ、こんな、人の心を守りながら別れさせる大変な業務をこれからしなくちゃいけないのかと見守るツカサ。
よい話でした!
今期、全くの新作の中で第1話で最高に引きこまれた作品。