甘城ブリリアントパーク・第5話
資金が底を尽きました。いや、そのなもの30円作戦を始めた時から収入がガタ減りになるのなんて分かっていた事だろう。最初無料にすると言い出した時に経理が文句を言ったが、その後30円にしたら黙ったのでひょっとしたら当座のお金は少しはあるのかと思ったらやっぱり無かった。まあこの従業員どもに賃金を払うのより、仕入れ業者とか光熱費をきっちり払っておかないとあと二ヶ月持たない。
緊急対策会議で案を出せと言っても、予想通りに三バカから出て来る案は使えない。結局資金繰りの妙案は出なかったが、南地区の洞窟にお宝があるかもしれないと言う話が持ち上がった。十年前にドルネル達が行ったものの、二人は帰って来たがドルネルは未だに戻って来ていない。戻って来た二人は恐ろしい目に遭ったが、洞窟の奥にはお宝らしきものがあったと言う。
さっそく西也達が視察に行く事になった。しかし十年も帰って来ないドルネルが生きている可能性はあるのか。魔法の国の住人だと生き延びる可能性があるのか。南地区にはバブルの頃に建築した巨大スタジアムが使われないままに放置されている。そしてその地下に洞窟が。
中に入ってみたらすぐに行き止まり。しかしレバーを倒すと岩の扉が開く。後先考えずに入って行くいすずやモッフル達を西也は一応止めるのだが、やはりそのまま入ってしまい、扉が閉じてしまった。西也はそこは外で暫く様子を見るキャラなんじゃないのか。
これで外に戻るには先に進むしかなくなり、奥に進むと壁面のヤツがこの先の冒険の為に武器を選べと。武器ったって、どれもこれもその辺の犯罪者が使いそうな代物。それらを手にさらに奥に進むとお約束の罠が待っている。しかし、この罠、七々々コレクションの置いてある遺跡の罠並に凶悪だな。この途中でいすずとマカロンが地下に落下。二人の犠牲を乗り越えて西也達は先へ進む。
すると今度は無数のオークが出現。いくらなんでも数が大杉。モッフルとティラミーは好戦的なので戦闘に突入して次々と倒して行くが、だが数が多い。そこでオークから逃げる事になるが、逃げた先の部屋ではドラゴンが待っていた。
流石にドラゴン相手は無理でここで詰んでしまったかと思ったが、一か八かで西也が賭に出る。さっきから人智を超えた存在とか言っているが、本当にそうなのか、証明してみろと。それに乗って来たドラゴンが問題を出すから答えてみろと言う。ドラゴンが問題を発するが、そう言えば西也って相手の考えている事を読めたんだね。どうせ答えられっこない、これはシュベールト農業大学畜産年金学科の入試問題だとか考えているのを読み取って未だ問題が終わらないうちに回答。驚いたドラゴンはおたおたして約束を反故にしようとした。これを見てモッフルはどうも小者に見えて来たと言って実力でドラゴンにパンチを食らわす。
実はこの地下迷宮はポリーティア王国に追われていたモグート族がブリリアントパークによって匿われた所に出来た「ルブルムの試練場」だった。西也達が始まって以来の2組目。一組目はドルネル達で、十年前から帰って来ていないと言うドルネルはここで引きこもり生活をしていた。すっかりオタクの部屋になってしまっていて。
戻って来てからモグート族を匿って資金提供した件をラティファに問い質そうとしたが、何となく憚られる。多分困ったモグート族をラティファの一存で護ったのだろう。そして調査によるとモグート族を追っていたポリーティア王国が革命で崩壊してしまったのでもう隠れる必要は無くなってしまった。そこで改めてブリリアントパークで雇って欲しいと言う。資金の件が片付いていないのに抱える人数が増えるのはどうだろうとと思ったが、当面の資金はドルネルが十年間かけて集めたオタクグッズを売り飛ばす事で一ヶ月は支えられる事になった。
いくら十年間かけて集めたと言っても随分と高く売れたなあ。
モグート族をかかえたせいで人件費も膨れあがるが、モグート族は使えそうなので、この先の収入に大きく寄与しそうだ。