ノーゲーム・ノーライフ・第7話
空白をマスターとしたジブリール、空に言われてキッチンを作った(そんな能力もあるのかジブリール)。材料は取り揃えておいたから存分に菓子を作るがよいぞと言う空からのプレゼントにうきうきとしてドーナツを作り始めるステフ。これがイマニティで見られる恋と言う現象かと興味深く眺めるジブリール。そう言われて恋の筈が無いと否定するステフではあったが。
ジブリールを手に入れてさあいよいよケモミミの東部連合も手に入れるぞと意気揚々としている空。そんな状態とも露知らずクラミーは空白が東部連合を後ろ盾にしていると思い込んでいた。空白の内政改革でエルキアが徐々に豊かになりつつあり、パンが美味しくなっている。傀儡の傀儡のくせにと、すっかり東部連合に操られていると思っていた。いや、まあ、お前も同じだろw クラミーが東部連合が後ろ盾と踏んだのはエルフをも気づかれずに負かした力は東部連合しか考えられないからだと。
そんな東部連合を空はジブリールからの情報で破ろうとしたのだが、ジブリールの答は否だった。自分ではお役に立てない。何故ならフリューゲルは一度東部連合に負けたのだと言う。しかも負けた場合の条件にはそのゲームの内容に関する記憶消去が入っている為に、どうプレイしてどう負けたのかの情報が全くない。
フリューゲルをも負かす、相手の考えを読み取れる、そのくせ過去のゲームデータは無い、こんな相手にどうやって勝つんだと空は絶望感に捕らわれた。せっかくケモミミ天国が目の前に出現しそうだったのに。そう思ったものの引っかかる所がある。近年領域を大きく増やしたと言う事は、そんな無敵の相手に挑戦したヤツが居ると言う事だ。いくら相手が挑んで来て負かせてゲーム内容を記憶から消すと言っても、敗戦の事実だけは厳然と残るのだからそんなにほいほいと挑んで領土を進呈するヤツは普通は表れないだろう。一体誰だそんなボンクラは?と思ったら、それはエルキア。
ここ10年のうちでたった一国だけ東部連合に挑んだエルキアだが、ご想像通り負けまくった。8回挑んで8回負けた。そしてその度に領土を割譲したのだ。これを聞いて呆れる空白。先王のお前のじいさんはやっぱり愚王だなと見捨てる口調で言うものだから、ステフは自分の事なら仕方ないけどおじいさまをそう言うのは我慢出来ないと泣き出す。あーあ、泣かしちゃった。言い過ぎだよ、空。
実はステフは祖父から真にイマニティの未来を託せる王が出現した時には渡してくれと言われて預かった鍵があった。こう言う隠し球ってこれからもいくつか出るのかな?w でもあんな空白なんかにこの鍵を・・・と悶々としているところにジブリール出現。あんたなんかの為じゃないけど、私のマスターの為にはそれを持って行ってあげた方がよいと言う。
悶々としていた位だからジブリールに背中を押されてそろりと図書室に足を運んだステフだが、そこで空が一生懸命謎解きを行っていた。先王は確かに8回も東部連合に挑んで8回も負けた。単なる馬鹿ならそれはあるかもしれないが、300万臣民を預かる常識人なら意味無くそんな事をする筈が無い。何かが引っかかる。自分は人類は馬鹿だと思っているが、でも白の様な可能性は信じていると。それを聞いてステフも、その鍵は勝てる可能性がゼロではない将来の王に託すと言った祖父の言葉を思い出して空に鍵を差し出した。
これは何か見られるとまずい物を隠している鍵。それはきっとHな本・・・ではなくて、何かの情報源。実は既に王の居室の不自然さを探っていた空はこの鍵が使えそうな場所を探し当てていた。果たして鍵で開けてみると隠し扉の向こうに部屋が。
そこには先王が東部連合と戦った時の記録が残っていた。東部連合はイマニティを侮って他の種族相手では勝負の記憶を消していたのを、記憶は消さないで次は勝てそうと思わせて勝負を挑ませていたのだろうと。但し、生涯その内容は他人に明かすなと言われたものの、こうやってもう崩御してしまった後に記録が継承されるのは約束違反ではない。まあ本当にそんな約束だったのか、単に先王が約束を破って記録していたのかは分からないけど、相手の考えを読めると言うケモミミ相手なら嘘を口には出来ないからね。そして8回で勝つ可能性を掴んでそこで挑戦をやめたらしい。
先王は愚王の名を付けられても未来の王に勝負を託す、そんな大したヤツだったんだなとステフに言う空。
いよいよ惚れ直しか。