悪魔のリドル・第9話
兎角と伊介が戦っている間に晴の方には真夜が襲いかかる。晴には真夜を倒す程の能力が無いだろうから、兎角が来る迄逃げまわるか或いはひょっとしたら真夜を説得する事で翻意させるしかあるまい。
でも番場は黒組の中では真夜になった時には一番聞く耳を持たない状態に思えるので、そっちは無理だろうなあ。と言う事で、逃げる、逃げる、晴。幸いな事に真夜はゾンビとかそんな連中みたいに追って来る恐怖を振りまくものの、頭を使って獲物を狩るみたいな事が出来なかったと言う点だ。やたらとハンマーを振り回すしなあ。普通の人間だったらあれだけの数ハンマーを振り回したら体力が尽きるだろうに。
最初に晴の居る生物準備室みたいな部屋に入る時はバリケードがあったからハンマーでぶち破って入って来たのは分かる。しかしその後の教室を追いかけ回す時にドアを開けずにハンマーでぶち壊すと言うのは本来的には体力をどんどん使っている事になる。結果としてはその影響で肝心な所でふらついて晴を討てなかったとか、手元が狂ったとか、そんな事はなく、最後の最後まで元気にハンマーを振り回していた。それにしても、なんでトイレの個室が誰も入っていないのにドアが全部閉まっているんだ。
兎角の方は伊介に「人を殺せないヤツ」と見破られてナイフの切り込みの甘さを突かれて苦戦。そのうえに携帯が鳴ったからと言ってそっちに気を取られるとか、殺し屋として三流だろう。羽交い締めにされたところを靴に仕込んだショックガンで伊介をよろめかせ、今度こそ刺し殺せそうだったのをまたも躊躇う。
実は兎角が殺せないのは今まで誰も殺した事がなかったからの処女的な躊躇いと言うよりも、過去の生い立ちに由来するものだった。東のアズマと言われたアズマ家の嫡女として生まれた兎角は、祖母からは正統後継者として期待されたが、母は生まれて来た兎角に自分と同じ暗殺者の道を歩ませたくないと思った。それが祖母との(母の母との)対立となって若くして亡くなったが、その母の妹、即ち兎角の叔母が後を託されて兎角をアズマの里から逃がそうとして失敗。祖母に殺されたものの、叔母の言の葉が兎角に人殺しを思いとどまらせる呪縛となった様だ。ところでアイキャッチで兎角の母空身が夭逝と書かれていたが、子供を持った人(まあ若そうだけど、かと言って未成年と言う程ではない)に対して夭逝と言う言葉は違和感があったなあ。
どんな理由かは別として兎角が人を殺せないのを見破った伊介は殺せないのを糊塗する為に晴を守るなどと言い出したんだろうと言ったが、兎角には不本意かもしれないが、そう言う面が無かったとも言えないんじゃないのか。
兎角の覚悟のなさはとうとう伊介との戦いで、渡り廊下で下に落とされると言う結果をもたらす。いくらガラス製とは言っても構造上の強度を持たせる為に支柱や梁はあんなナイフごときで切断出来る物じゃないと思うのだが、ともかくかわして背中になったガラス壁が落ちてそれとともに兎角も落ちた。伊介、割合あっさりしていてい兎角の生死を見届けない。
そして真夜に追い詰められていた晴の所へ。伊介と真夜の間には伊介がいけ好かない兎角をやるからその間中は真夜が晴を好きにして良いと言う約束が出来ていたのかもしれないが、兎角を倒した後は獲物のの晴は自分のものだと、視聴覚室の強烈な照明を真夜に食らわして動けなくし、晴をいたぶりにかかる。
兎角の生死を確認しなかったとか、晴を時間をかけていたぶったとか、詰めの甘すぎる伊介は最後の最後で覚醒した兎角に倒された。渡り廊下から落下した兎角は昏睡の中でもう叔母真呼の呪縛が無くても自分の意志で殺さない事が出来る様になっていた。動きが縛られていた時とは違ってあっさりと伊介を行動不能に。
と言う事で、番場も伊介も脱落。この二人に花を手向ける英純恋子が最後の一人。鳰を除けば。ひょっとして純恋子は脱落者みんなに花を手向ける為に自分が最後に残ったとか、そんな事はないよねw
鳰、この間は自分を忘れるなと言っていたのに、今回はラスイチとか言っていたな。
自分の出番まであと一人って意味かな。