変態王子と笑わない猫。・第12話・最終回
ツカサはもう長い事ない。小さい陽人は大きな家でひとりになったツカサを子供ながらにずっと支えて来た。さびしくない様に。しかしもともと身体の弱かったツカサはあの洪水の日にこの家を守ろうとして雑菌が入ってさらに身体を蝕まれたのだと言う。なんだろうレジオネラ菌でも入ったと言うのだろうか。
しかし結局自分では充分な支えにならなかった。結局ツカサを笑顔にさせる事は出来なかった。そう言う小さい陽人に陽人は女の子を笑顔にするのは難しいが、目の前の女の子を泣かさない様にすれば良いと言う。幼い自分への教えなんだから良い事言ってもいいだろう。
陽人は翌日つくしと月子が居ると思われるホテルに向かう。手がかりは月子が食べていた時に使っていた紙ナプキン。どうやって調べたと驚くつくしに大人は何でも分かるとかとりあえずびっくりさせておいて、何とかツカサに会って欲しいと頼むのだ。渋るつくしだったが、多分もう本心では行きたかっただろう。それを月子が背中を押す格好になって筒隠邸へ。
やっと母に会えたかと思ったら、その母は病に伏している。看病すれば治るのだろうと言う月子だが実はそう言う訳には行かない。やっと母に会えたのに。3歳の時に別れた母に会えたのに(と言う事は月子は全く記憶が無いんだな。だってつくしが3歳なら月子は1歳)。ろくに思い出も持てぬまま母を失う事になるのかと泣きじゃくるつくし。
目の前の女の子を泣かさない様に。陽人は聞いた事がある猫神に対してお願いをした。望んだ願いはままならぬ形で成就するが、足らざる相手に持てる人間が渡す願いは叶えてくれる猫神に。小さい陽人はこれまでの思い出をつくしと月子に渡す願いを猫神にしたのだ。
ああ、そうか。だからつくしにはこの家での母ツカサとの思い出があるんだ。だから陽人には記憶の欠落があるんだ。洪水の記憶が失われているんだ。漸く辻褄が合った。しかしそんな小さい陽人をこのまま月子は見ている訳には行かなかった。今までツカサを支えて来てくれたのは小さい陽人じゃないか。それをつくしと月子の為に思い出を譲ってしまうなど、そんな事をしちゃだめだと。それを陽人は止める。このまま帰ろうと。キャンセルして帰ろうと。月子は断じてキャンセルを断るが、キャンセルだ、月子!と叫んだ陽人の声が猫神に届いた。
この願いは月子の願いじゃなかった、陽人の願いだったんだ。
本当にこの作品は願い事が一筋縄じゃないんだから。
思い出は陽人から失われて他に移譲される。この願いは未だに有効で、キャンセルをしてしまったらつくしや月子の母との思い出は失われる。だから今後も陽人はこの願いを維持したまま。と言う事はとりもなおさず思い出化してしまうと記憶が風化してしてしまうと言う事。
思い出化して忘れられるのが嫌だと言う月子に陽人は一番大切な君のそばにずっと居ると言う。ありゃ、梓ちゃん・・・。口ではなんとでも言えると言う月子が手をもじもじ。
態度で示せと言う月子に陽人がキスでそれを示す。
つくしの乱入は無かったね。
もとの時代に戻って来た陽人と月子。つくしや梓も加わって遊園地へくりだした。つくしも梓も何があったか知らないでいままでどおりの感じなんだが、陽人と月子の関係は以前よりちょっと進んだんだよ。
観覧車でこんな事しちゃう程度にw
「最終回の最後のカットの最後の1秒まで、変態さんですね」って、メタな発言するなよw
変猫はおもしろかったと言うよりも梓と月子が可愛かった作品だった。
どうも猫神へのお願いがこりすぎてもやっとした所がある気がするが、とにかく二人が可愛かったw