絶園のテンペストの背景描写
絶園のテンペスト第3話でこの車両を見た時は軽い衝撃を受けた。
鉄道車両のサンプル写真なんていくらでもあるだろう。なのに何故よりにもよって419系まがいの車内なんだ。419系は嘗て月光型とも呼ばれた583系寝台電車を改造したもので、寝台電車時代のなごりから座席背もたれの厚みがあり、寝台と寝台を隔てる為の壁の痕跡が各ボックス席の所にある。
そして吉野と真広の座っている場面の窓だ。
奇妙でしょ?なんで窓が十字に切られているのか?
確かに419系にはこう言う十字に区切られた窓があった。それは何故か。583系からの改造だから、元々は特急形の「開かない」窓だった。それを各駅停車向けにして、窓も「一部の席は」開くように改造した。その為に大きな1枚窓だったのをまずは「左右に」二つに分割し、そうしてから昔よくあった(今も残ってるけど)上下で開く窓に改造したのだ。
だから、この絵の様に窓にまず横のサッシがあってそこにさらに縦のサッシがあるとか、一体何の為にこんな十字のサッシになっているのか訳が分からない構造じゃない。資料が無いなら無いで(無い訳無いんだが)、もうちょっと集めやすい車種にすればよかったのに。
待てよ!
ひょっとして戦中の63系って大きなガラスが使えなかったから三段窓だったけど(それで桜木町事故は大惨事になった)、そう言う非常事態を演出する為にわざとそうしたのか?!
今週第7話の衝撃はこの廃バス車両。
立派なスケルトン構造の、かなり新しいタイプのバス。
ところが車内がこれ。
ロングシートに木製の床!
私は鉄分に比べたらバス分は圧倒的に少ないのだが、それにしてもこりゃ何だと思った。だって、今の山手線のE231のコルゲーションがまるでないステンレスボディに、中に入ってみたらあの茶色かった時代の国電の車両みたいな描写なんだから。一体どんな資料集めをしたらこう言う絵になるのか。
絶園のテンペストはシリアスなストーリーがなかなかみせてくれる作品だと思っている。ところがこの不思議な背景描写は一体どうして起きるのだろうか。あの坂道のアポロンですら20系寝台で折戸の扉を両方から自動的に閉まる扉にしてくれたのだから車両系に興味が無いとこの程度と言う事になるのだろうか。