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坂道のアポロン・第9話で登場した国鉄の20系寝台特急さくら・続編

鉄道に非常に詳しい読者様から奥さまを通じて指摘された内容を続編として書きます。

佐世保発のさくらがEF65に牽引されている件について
参考資料
そりゃ、確かに変ですよね。色々変なのですが、まずこの時代に佐世保まで電化されている筈はない。これは非常にうっかりしていました。東北本線の全線電化が実現したのはヨンサントウ(昭和43年10月)のダイヤ大改正です。これは覚えています。これのせいで東北筋の寝台列車の一部は月光形と言われる583系になりました。この583系は寝台はモノクラスでB寝台しかありません。パンタ下でもない限り当時のB寝台は三段で高さが凄く低い。20系の寝台列車が随分と駆逐されてしまいA寝台に乗れる機会が減りました。これが当時残念で残念で、そう言う記憶が今でも鮮明に残っています。

調べてみると佐世保迄電化されたのはずっと下って昭和51年。だからそれまでは佐世保発のさくらを電気機関車が牽くのはおかしい。

しかも電化されても九州はほとんどが交流。ご多分に漏れず佐世保線も交流です。だから過去から現在まで佐世保にEF65(直流電気機関車)が入る筈が無い。

この場面、原作ではちゃんとディーゼル機関車が牽いているそうです。
勝手に解釈坂道のアポロン「その10寝台特急さくら」

うーん、アニメはそれなりに時代考証して描いてるのに何でまたここで原作を裏切ってEF65にしたんだろうか。
Wikipediaによると本来はDD51が牽引らしい。但し「佐世保編成はスイッチバックを行う早岐駅から終着の佐世保駅まではC11形蒸気機関車がバックで牽引し話題となった。」との事。上のキャプチャでは隣のホームに居るブルトレにはディーゼル機関車が繋がってますね。ただ、DD51にしては運転台の後ろの部分で白線の上がグレーじゃないけど、塗りミスってのはよくあるものです。


さくらの発車時刻について

百合香を乗せてさくらは発車した訳ですが、あのホームで問答していた場面は真っ暗です。当時の時刻表ではさくらの発車時刻は16時頃。手元に残っている一番古い時刻表(昭和43年9月号)では16:10に佐世保発。
参考資料
確かに東京だとクリスマス頃の日没は16:30頃なのでかなり暗くなっています。が、佐世保はずっと西。クリスマス頃だと日没は17:20頃です。まだ全然明るい筈。

だからこんな夜の風景じゃないんですね。
参考資料


こう、坂道のアポロンのさくらに突っ込みを入れるのも坂道のアポロンが面白いし時代考証に頑張っていればこそで、頑張ってる程つっこみたくなるわけですw

日没とか日の出とかの時刻と作中の外の明るさとか、全く裏切っている作品は山の様にあります。冬に6時とかに起きて外がとても明るいとか、一体日本のどこに住んでいたらそんな事が出来るのか、ひょっとして南洋の委任統治領かい、と突っ込みたくなる程です。多くの場合は冬の日の出日の入を夏の様な感覚で描かれるので、そこを気をつけたらいいんじゃないかと。

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