うさぎドロップ・第8話
8月4日、りんは小学校に入って初めての夏休みか。大吉は相変わらず寝苦しそうに寝てるな。朝が弱いと言うか、安眠してないって言うか。りんは起きて顔を洗って水やりの準備。外に出たらもう日射しが強い。
夏だなあ。振り返ってみて今年の夏にこんな日が何日あったっけ。なんだか今年は晴れの日でも朝方は曇り気味でちっとも朝から日射しが強いとかそんな夏らしい日にほとんど遭遇しなかった気がする。
夏休み中はりんは学童保育で預かって貰うらしい。弁当を作って準備しているとコウキもやって来る。神社の前でコウキが鳥居に向かって立ち止まったから礼をするのか意外にきちんとした教育を受けているんだなとか思ったが違った。セミの抜け殻か。少年だなあ。
今度の土曜日にじいさんのお墓参りに行こうと言う大吉に、りんは自分がじいさんの家から移植したリンドウが未だ咲いていない事に難色を示す。そこで大吉はリンドウが好きだったじいさんにリンドウも大切だが、りんが行くのが一番大切なんだと言うとりんも納得。うまく説得出来た。大吉は子供の扱いがうますぎるだろ。
墓に行ってみると既に水がかけられてインクつぼにリンドウがいけられていた。うわーwなんてあからさまな正子。て言うか、ペン先はなんなんだ。
この気配を見て大吉はすぐさま走り出す。りんにはちょっと待っててくれと。そして駆けていった行った先で首尾良く正子を見つけたのだが、男連れ。すぐに声をかけられなくて妙な鳴き声を発して振り向かせる。りんに会わせるつもりはないのだが、成長したりんを見たいと思ったら影から見てくれと。
そっと影からりんの様子を見た正子だったが、りんが既に幼児ではなくなって成長しているのと、大吉の雰囲気が宋一に似ているのに見入っていた。こうして見ると正子って宋一じいさんがちゃんと好きだったんだなあ。ただ私は相変わらずりんが宋一の子かどうかは未だに疑問に思っているのだが。今の正子の彼氏はりんが正子に似てるとか言っているのでりんと正子の事情は知っている模様。その今彼なんだが、「西園寺先生」(正子)のアシスタントなのか。作業現場では一アシスタントで、外で彼氏の位置にあるらしいが、それでもあの子供の様な正子に甲斐甲斐しく尽くしているではないか。これは表面上だけでなく本当にそうと思っていいんだろうか。
正子は正子で売れているうちに仕事をしようと無理をする。それも一理あるが(マンガ家って売れなくなるとあっさり切り捨てられるからねえ)、彼氏が言う様にそれで質を落とすとそれはそれで売れなくなる原因にもなるんじゃないか。破綻が来そうな人生を送ってるなあ、正子。今迄はそれを宋一がカバーしてくれたのかな。
墓参りの跡にじいさんの家に寄ってみたいと言うりん。これはそうだろう。今迄育って来た家だ。じいさんと一緒に暮らして。行きたい気持ちは絶対起きる。ただ、今はもう大吉から見たおじさんの家になっているのでどうかなと思う大吉だったが、そこは踏み切ってじいさんの家に。
行ってみると庭が整地されて石が敷き詰められていた。空き家になっているので草茫々にならない様に叔父さんがしたのだろう。だが、りんにとってみれば嘗ての庭が変わり果ててじいさんの好きだったリンドウの花壇が消滅していたのはショックだったろう。大吉は4月にキンモクセイを移植しておいてセーフだったと思うが、じゃああの後に整地されたんだな。
幸いにもりんは前向きで、リンドウを移植しておいて良かったねと。泣き出さなくて良かった。
名古屋に戻って(名古屋って事でもういいんだよね)、こっちではあのポスターにあった祭の日。りんと大吉にコウキが混じって大吉の言ってる事が循環して矛盾しとるぞw