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パブリックドメイン・クラシックが再発見された訳だが

この記事↓によってパブリックドメイン・クラシックが二年ぶりに再発見され、はてぶでブックマークされる数を激増させている。
クラシックのMP3音源が約4200曲 パブリックドメイン・クラシック - Zopeジャンキー日記

サイト自体は「日本国内において著作権保護期間が終了し、パブリックドメインとなったデータを公開しています。」と言う事でこう言うデータに手軽にアクセス出来る結構な時代に結構なサイトと言う事で大変結構な事(しつこい)なのだが、再発見のされ方が誤解を生みそうでどんなものかと。

上記の紹介した日記で「まだ基本知識が欠けていて、とりあえずたくさん聴いてみたい私のようなクラシック入門者には、特に便利だ。 」と言うのはヤバイ気がする。何しろ著作権保護期間が切れる程に録音が古い。録音が古いのを入門者が聴くのは二つの点であまり良くないと思う。

ひとつは簡単で、音質が悪い。ステレオの音しか聴いていない今の人達がモノラルのしかもヒストリカルで音質が良くないのを聴いてあまりに強い失望感を持たれるのは良い事ではない。もっとも全部がモノラルと言う訳でもない。カラヤンはああ言う人だったから1950年代のフィルハーモニアとの録音でもかなり聴ける。PCであまり良くない再生環境なら今の録音と大差ないかもしれない。それにカラヤンのこの録音は私が中学生の頃にクラシックを聴き始めたものだから個人的にも酷い音じゃないと思う。

もうひとつは演奏形式が古い事。現代のクラシック入門者がいきなりフルトヴェングラーだのクナッパーツブッシュだのの演奏を聴くのは果たしてどうだろうか。私は別に楽譜原理主義者ではないが、かと言って初めて聴く演奏が彼らの様な自由自在なものと言うのもちょっと偏りがある気がする。フルトヴェングラー指揮の演奏は近年のいくつかの演奏を聴いて慣れておいてから聴いて「ちょwwwwwwなにこれw、こんな演奏あり?w」と浮かれるのが正しい聴き方(をい)と思う。ベートーヴェンの交響曲第5番をフルトヴェングラーがベルリンフィルと1943年に録音したものはまさにこれだ。第3楽章の終わりから第4楽章の冒頭などびっくりモノだ。いや、この演奏が悪いなんて全然言ってない。何しろ5番の録音の中で私が一番好きなのはこれなのだから。クナッパーツブッシュの8番の演奏も躍動しすぎだ。こう言うのを聴いてニヤニヤするのは慣れてからの方がいい。と言うか、近年の演奏に慣れてからでないとニヤニヤも出来ない。

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