サンシャインクリエイションの参加サークル個人情報が流出
土曜あたりから騒ぎになっていたのがニュースサイトにも出てきた。
同人誌イベント「サンクリ」参加サークルの個人情報が流出(itmedia.co.jp)
いつかどこかで起きそうな気がしていたがサンクリで起きたか。もとより同人誌即売会の主催者団体に大企業並みの個人情報管理を期待はしていなかったので、一定の確率でこう言う事件が起きるのではないかと思っていた。サンクリのこの件で流出してしまったサークルの方々は非常に気の毒だが、事件が起きたのがサンシャインクリエイションである事が同人界にとっては今後を考える上で(言葉は悪いが)適当な規模だったと思う。コミックマーケットのデータだったら同人界に回復不可能なダメージを与えたし、小規模なオンリーイベントだったらニュース性が低くて顧みられない可能性があるからだ。しかしサンシャインクリエイションはそれなりに大きい。
クリエイション事務局に「個人情報の管理はもっとしっかりやれよ」と言うのは容易い。そしてそれなりの事はクリエイション事務局なら出来るだろう。だが冒頭にも書いた様に大企業並みの管理はいくらなんでも無理だろう。大企業だからと言ってダダ漏れに近い企業もあるが、個人情報の管理のきつい会社は本当にきつい。USBメモリの使用は禁止と言葉で言うだけでなく、ソフトウェア的に監視したり、或いはファイアウォールから出て行ける先は非常に限られていて基本的にWebメールサイトは全部ダメであるとか、或いは常駐ソフトがHDD内のデータファイルを常に暗号化しているとか、登録されていないPCが社内ネットワークに接続されたら直ちにアラームがあがるとか、早い話が社員の善良な行動だけには絶対頼らない仕組みを入れている。そもそも個人情報が生で見られるシステムは別に切り離されていて、ビルに入る時のチェック以外にそのPCが置かれている部屋に入るのにもカードが必要でそれを持っている人間はごく一部に限られている。
数多ある同人誌即売会の主催者全てにそんな事が可能だろうか。いや、絶対無理に決まっている。
ならばどうしたらよいのか。私は同人界の個人情報管理を引き受ける組織(企業?)が出来ないものだろうかと思っている。即売会の事務局は事務管理をそこに委託するのだ。例えば事務局はサークル名と主催者(ペンネーム)を把握するが、その先の個人情報は管理会社が保管し、発送事務も行う。小規模のオンリーイベントだとその委託経費がきつくなるが、そこを利用した上でサークル参加費の高い即売会、利用しないので比較的安い即売会に別れても仕方ないと思う。少なくとも名の売れた即売会はこのシステムを利用して欲しい。
それにしても今回の流出の仕方はひどかった。Winnyで流れただけでなく、それをアプロダで公開する不届き者まで出現し、そのURLが2ちゃんねるに繰り返し貼られたのだからWinny利用者以外にまであっと言う間に広がった。それを見て活動停止を宣言するサークルも出たり、日頃は流出事件の傍観者がほとんどの2ちゃんねらーにも直接被害者が多数出たり(真偽の程は確認できないが、携帯電話に何件も非通知電話がかかってきたと言う書き込みもあった)と、もう滅茶苦茶な状態だった。