ネットトップのあり方を一夜にして変えたYouTube
しつこくYouTubeのHD対応の話で申し訳ない。今の内に思った事は残しておこうと。
さてこれに先立つ記事では1.YouTubeがHD対応した。uploadするとこんな感じ。2.YouTubeがHD対応してTV・ストリームサイト・ニコ動など動画提供者脂肪。と言う風に1.動画をuploadする人、2.動画のインフラ提供者の順に書いてきたが、今度は動画を見る側の話。
2ちゃんのスレの反応を見ると意外にこのYouTubeのHD動画をするすると(ぬるぬると言う表現はいいのか悪いのか微妙なので)再生できない人達がいる事が分かった。私もPentium4 2.66GHzのPC(XP GPU再生支援なし)で今回HD動画としてuploadされていたAIRや狼と香辛料やToLOVEるのOPを見てみたが再生が辛かった。再生停止が頻繁に起きる。だからそこそこの力を持ったPCが必要だと言うのが分かった。とは言っても夏に組み立てたAthlon X2 4850eのマシンでは問題無かったので、現在販売されている「普通の」デスクトップなら大抵問題あるまい。
問題は「普通」ではないPCだ。
それは何かと言うとEee PCで火が付いたAtom搭載PCの事だ。ネットブック・ミニノート、あるいはネットトップと言われるPCは「ネットに繋げる程度ならこれでも充分。ニコ動だって見られるじゃん」と言う位置づけで市場が形成されて行ったものだ。確かに先週まではそれで良かった。ネットで普通に訪問する先で一番重いところと言えばニコ動あたりだったのだから。
ところがネットで普通に訪問する範疇にあるYouTubeがHD対応した事で話が変わる。試してはいないが過去の状況証拠(c-kom.homeip.net)からこれまでに出ているAtom搭載PCではとてもではないが見られたものではないだろう。私はYouTubeには絶対行きませんとか言うなら話は別だが、何かのはずみで(例えばウェブメディアの記事の中で紹介されているとか)行く可能性はかなり高いだろう。そんな時に悲哀を感じる様なネットトップを「これから」買う選択肢として良いのかと言われれば良いとは言えまい。
そうなるとせめてYouTubeのHD動画は再生できる程度の能力は持った廉価なPCが今後のネットトップと言う事になる。ネットトップの性能の位置づけが一段上がった訳だ。ユーザにとってはこれは「もうちょっと性能のいいのにしてくれればいいじゃない」で片付けられるかも知れないがPCを作る方はその要求に対してはAtomを選びがたくなり、設計を変えなくてはならない。
これによってAMDはAtomによってすっかりIntelに侵襲され放題だったローコストPC市場で一息入れられるかも知れない。丁度AMDは現状のネットブック市場には参入しないと発表したばかりだ(CNET)。Atomプラットフォームではネットブックやネットトップとして性能不足となればこの方針が生きてくる。AMDのCongoとYukonがどんな姿で登場するのかは分からないが、ここの領域を覆える物であればAtomの後釜を狙えるだろう。
PCメーカーが似たり寄ったりのネットブック/ネットトップを並べて先が見えてしまった様なローコストPC市場が来年また面白くなりそうだ。個人的にはAMDが元気な方がIntel一辺倒より選択肢が増えて嬉しい。