見よ。今まさに猿が言語を獲得しようとしている。
人類がどの段階でどんな言語を話していたのかは具体的には明らかになっていない。脳の容量と形、そして声帯からある時期に言語を話していたであろう、と言う予想はされているが当時の状況を再現できない以上はっきりしている訳ではない。ホモ・ハビリスは頭蓋骨の形状からブローカー野やウェルニッケ野が発達しており言語を話せたのではないかとも言われているが、言語を話したのが先か、脳の発達が先かはこれまた議論の分かれる所だ。それがいつの間にかサンスクリット語やギリシャ語の様な格変化や動詞変化の多い言語を使う様になっているのだ。但し最初の頃は名詞だけでやがて動詞を伴い統語法が確立されて行ったものとは予想されている。
それが今、我々の目前でまさに行われようとしている。
人類が長い間謎としてきた類人猿が言語を獲得しようとしている状態が眼前にて行われているのだ。
第3回日本ケータイ小説大賞:あたし彼女(nkst.jp)
しかし猿の話す言語を読み続けるのは非常に辛く、私は10P辺りで携帯を閉じた。