書評サイトと制作側
ここが発端だそうだ。↓
書評サイトに対する作り手側の視線(hatena.ne.jp)
「作家や編集者は書評サイトをどう思っているのか」
↓
「オールOKという人もいれば、裁判も辞さないくらい憎んでいる人もいます。」
裁判(笑)。
いったいどんな争点で裁判になるのか想像もつかない。作品を批判しているとしてもそれがどうしたと言うのだ。本を批判してはいけないのか。たとえ見当はずれだとしても作者の表現力と読者の読解力によって見当はずれになりうる可能性はあるだろう。
それにしてもここを読むと作り手がこんなにも書評サイトと言うのを気にしているとは思わなかった。これと同じ位アニメの制作側もアニメの感想サイトを気にしてくれないだろうかw
その一方で本の作り手の本音と言うか、本音すぎて身勝手と言うかそう言う面も見えた。
「そして、作り手側的に問答無用でダメなのは、以下のような書評サイトだということができます。」
「・商売の邪魔になることが書かれた書評サイト」
商売(笑)
しかし冷静になって考えてみると良い。
こちらの様に↓
ネット書評は作家の「営業妨害」になるか。(hatena.ne.jp)
結局のところ書評サイトが商売の邪魔になるとは言えない、と言うのが今のところ(ネットの趨勢と言うのは1年もあれば変わるので)だと思う。書評サイトを読む様な人なら幾つか評判を読むだろう。Amazonのレビューもそうだ。
商売うんぬんを言うのなら、批判を受けるのよりも世間から全くスルーされる方が余程致命的だ。物があふれているこのご時世、悪評が逆に興味をわかせる事だってある。
では折角なのでここ3~4ヶ月の間に読んだ本の寸評を(書名のリンクは全てAmazonAssociate)
幕末の朝廷―若き孝明帝と鷹司関白 (中公叢書)
これまでほとんど知らなかった鷹司関白に関する記述が多く、参考になった。
甲骨文字の読み方 (講談社現代新書)
まあ少しは甲骨文字の成り立ちが分かるかもしれない。あっさり覚えられる訳でもないが。
昭和を騒がせた漢字たち―当用漢字の事件簿 (歴史文化ライブラリー 241)
たばこの「宙」の話は懐かしかったな。
日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)
これはAmazonで買ってはだめ。「さおだけや~」以来、書名で買わせようと言う風潮が蔓延しすぎている。内容を納得した上でならあまり問題はない。但し、帯の「転機は1965年だった!」と言うのも悪く言えば詐欺広告。
北京―皇都の歴史と空間 (中公新書 1908)
副題が「皇都の歴史と空間」となっていたので辛亥革命以前の歴史が相当あるのかと思ったら逆。出版社はこう言うミスリードを誘う様な事は止めて貰いたい。但し、中身はなかなか良い。
エゾの歴史 (講談社学術文庫)
面白かった。しかしこれを読むとグリーンランドと言い、よくもまあ人間は過酷な条件の土地に住みに行こうとしたものだと思う。
人類の足跡10万年全史
この何ヶ月かの間に読んだ中で一番面白かった。草思社の本なので出来たら買ってあげてw 但し、ハードカバー400ページを読む覚悟で。
巨大建築という欲望―権力者と建築家の20世紀
これも面白い。ついでにこっちはハードカバー500ページだけど。フィリップ・ジョンソンの辺りが興味深かったかな。結局建築家はパトロンが必要なんだよね。
脳がほぐれる言語学―発想の極意 (ちくま新書 675)
全然印象に残っていない。
世界史のなかの満洲帝国 (PHP新書)
タイトルどおり。これくらい中立的な見方で満州帝国を普通に語れる時代が来たかと。かっこ付きでなく普通に満州と使える時代が。
アトランティック・ヒストリー
どうしてもブローデルの地中海と比較してしまうのだが、それに比べると何もかも小粒な印象。
中国大虐殺史ーなぜ中国人は人殺しが好きなのか
中国史を眺めれば確かに中国人は虐殺好きなのだが、虐殺史と言うからにはもう少し史実を掘り下げた内容が欲しかった。