次世代DVDは買ったら負けだなと思っている
今年は次世代DVD戦争に決着がついた年として記録されるかもしれないが、勝者のBlue-rayも欧州大戦で勝利した英仏の様に何も果実を得られないまま戦いの外側に居た米国に覇権をかっさらわれるだろう。ではその米国とは誰なのか。
「勝者はBlu-rayでもHD DVDでもなく、ハードディスク」--シーゲイトCEOが発言(CNET)
ちょっと前からちょうどこんな感じの記事を書きたいと思っていたが、SeagateのCEOがうまいタイミングでそれに近い発言をしてくれたのでそれをネタに書いてみたい。
BDとHD DVDの戦いが始まった時はとっととどちらかが敗北して消え去れば残ったディスクで解像度の高い動画を保存できる(゚Д゚)ウマーなんて思っていた時もありました。そう、とっとと終わっていれば。ところがそれから何年経っただろうか。今年漸く決着がついたかと思ったらそんな状況はもう一変していた。HDDは飛躍的に容量を増し今やテラバイトは当たりまえ。実は年末に1TBのNASを買ったものの早々と使用量が半分近くまで行ってしまって、1TBなどと言う小容量のNASにするんじゃなかったと後悔を始めている所だ。そこに25GBだとか50GBだとかゴミの様な容量のディスクが来られても保存メディアとしての存在意義は既にもう無い。50GBディスクって1TBの1/20だ。つまり1TBの容量をディスクに書き出そうとしたら20枚も必要なのだ。バカらしい。そんな場所取りの物を使っていられるか。
次世代DVDが不要になるもう一つの要因はコンテンツの入手方法の変化だ。もうそろそろコンテンツを物品として買う時代は終わりが見えてくるだろう。既に音楽物はCDなんか買わなくても構わない環境が確立しつつある。やがて映像もそれを追うだろう。大体、オンラインで必ず見られるのが担保されるなら、ダウンロードして保存する必要すらない。必ず見られると分かっているのならネットの向こうのサーバにあればよい。ローカルのHDD、LAN上のHDD、そしてThe Internet上のHDDに一体どれほどの違いがあると言うのか。今、ネット上のコンテンツを必死になってダウンロードしている人々は「時間が経ったら消えるから(或いはサーバが混雑して視聴が難しくなる時間が多いから)」が前提であり、時間が経っても消えないと言うのが習慣化されればいちいちダウンロードなんかしなくなる筈だ。
その場合の「勝者はBlue-rayでもHD DVDでもHDDでもなく、ネットワーク機器」と言う事になるかもしれない。